教育学コース 卒業論文のテーマ
卒業論文のテーマ
修士論文・卒業論文の形式などは,他のコースととくに異なるところはない。論文の内容は,特定の思想家をとりあげたもの,教育史研究の結果をまとめたもの,現在の教育問題ととりくんだものなどがある。
修士論文は200 枚程度,卒業論文は50 ~ 100 枚(400字詰原稿用紙換算)程度が,標準となっている。
近年の論文題目一覧
2022(令和4)年度
- 河合隼雄の子ども思想と教育思想
- 学生野球における勝利至上主義
- 佐保女学院(1933 〜1966)の設立と昇格
― 学校経営の観点から見た女子教育の変化 ― - 高度経済成長期の浅草山谷における不就学児童に対する教育実践
―貧困家庭の子どもたちに対して教育は何を達成しようとしたのか― - 少年院での矯正教育における教官と少年との関わりが持つ意義
- 『 無知な教師』 における普遍的教育の実践可能性
― ランシエールとジャコトの思想に注目して ― - OECD のラーニング・コンパス 2030 における「生徒エージェンシー」の検討
- 有用性に従属しない「遊び」と人間形成空間
― 矢野智司「生成としての教育」の批判的検討 ― - カントとアーレントにおける悪の問題
- 映像作品におけるトランスジェンダー描写のあり方の検討
2021(令和3)年度
- ポストコロニアル的解放教育
―ガヤトリ・C・スピヴァクの思想に着目して― - 少年院内での修復的実践がエージェンシーの構築・発揮に及ぼす影響
―教育課程と環境調整に着目して― - アリストテレスにおけるフィリアとエピエイケイア
―寛容に関する「適正なこと」のアポリア― - 高度成長期の中学「就職組」生徒に対する進路指導
―愛知県新城市立東郷中学校の実践に着目して― - イエナ・プランの「学校共同体」における個性重視
―オランダにおけるその受容と変化― - 「地域の学校」への就学運動
―障害児を普通学校へ・全国連絡会の活動から― - 都立高校における男女共学化の過程
- 佐伯胖におけるコンピュータ教育論
2020(令和2)年度
- 大学スポーツのあり方に関する議論の歴史的変遷
―明治初期から昭和前半の野球をめぐる論争に注目して― - 「ブラック」な労働環境への進路決定とその就職不安に関する質的研究
―国家公務員総合職入職予定者の語りを通じて― - UNIVAS の学業支援策の成立過程に関する研究・幼稚園での動物飼育の意義
―安部幼稚園の実践記録から― - 「公正に個別最適化された学び」の実現を目指すICT 教育政策研究
- 学校と塾の二重構造下における「学校の役割」意識
―私立中高一貫校教員へのインタビューを通して― - 地域での子ども支援活動における官民協働
―あらかわ子ども応援ネットワークに着目して― - 休校措置がとられた中で学びを継続できた要因の考察
―学校· 自治体におけるオンライン学習の導入過程の分析を通して― - 授業における生徒の聴く行為の対話的意味
―中学1年国語科授業における小集団学習後の一斉場面に着目して― - EBPM の政治哲学的検討
―「エビデンス」が孕む功利主義性と価値の介入― - 養護教諭による学校組織文化を意識した協働的ケアに向けた交渉のエスノグラフィー
―都内公立中学校における実践をもとに― - 日本の展示解説史
―国立科学博物館の展示解説を実例に― - 翻訳論における翻訳と機械翻訳における翻訳の違いとは何か
- 進学校の高校における運動部活動の意義について
―インタビュー調査を通じて― - 絵本の読み聞かせにおけるねらいと読み方の関係の考察
―保育者への質問票調査とインタビューから― - 入院児教育担当教員の心理的ケアの専門性に関する考察
- 教員の意識から見たコミュニティ· スクールの意義
―神奈川県の公立高校の事例に着目して― - 高等学校での個人の探究活動における教師の対話的支援
―生徒の行き詰まりへの対処と問題点の可視化を中心として― - 大学入学共通テストに対する批判についての研究
―新聞の投書欄を手がかりとして― - ものづくりを中心としたプロジェクト活動において学生のピボットに影響を与える要因
―準正課の工学系教育プログラムを事例として― - 私立中高一貫校における部活動の現状とその課題
- 日本におけるリカレント教育推進政策の動向と特徴
―成人在職者の職業能力開発に焦点を当てて― - 生徒参加型学校づくりの教育的意義と課題
―私立D 高校の「三者協議会」における合意形成過程に焦点を当てて― - 地域振興を目的とした社会教育の展望
―兵庫県豊岡市を例に― - 毒親ブーム消費が意味するもの
―親子関係に悩む若者へのインタビュー調査より―
2018(平成30)年度
- 「ゼロ・トレランス」は果たして日本の教育に入り込んだのか
―学習規律の普及と変化に着目して― - 上田薫の道徳教育論について
―ジレンマに着目して― - 共同体における不和の感取
―サバルタンの公現と意志の解放― - 地域住民による子育て支援の可能性とウェルビーイング
―ファミリー・サポート・センターにおける「相互援助活動」に着目して― - バンコクにおける海外子弟教育
―戦後の日本人学校再興に焦点を当てて― - ジュディス・バトラーにおけるコナトゥス概念の検討
- 牛山榮世における「総合学習」の追究
- バウマン社会理論における「対話」の批判的検討
- 近代報徳運動と修身教育
―教科書に描かれた2 人の二宮金次郎― - 情緒と教育
―小林秀雄の教育観についての試論― - 承認論から教育における関係性を捉え直す
―重松清『エイジ』を手掛かりにして―
2017(平成29)年度
- 他者との距離とつながり
―ジンメルの「形式社会学」を手がかりに― - ネル・ノディングズの『道徳的な人々を教育する』の検討
- 大学のユニバーサル化と選抜について
―メリトクラシーと推薦入試制度に注目して― - 赤井米吉の教育思想
―十五年戦争期における「転向」の史的研究― - オーギュスト・コントにおける生理学と社会学の接合
- 人間の声を経験すること
―ジョルジョ・アガンベンの言語哲学を手がかりに― - 日本における「バックラッシュ」とは何だったのか
―2000 年代前半のジェンダーフリー・性教育批判を再考する― - バウマンのリキッド・サーベイランス論
―情報化社会を生きる若者達― - 津田道夫の障害児教育論
- 統合教育における「共生」と「発達」
―宮崎隆太郎の「総体的」子ども観に焦点をあてて― - 1970 -80 年代におけるアイドル文化の登場と変容
2016(平成28)年度
- 発達保障思想の再検討
-糸賀一雄の思想形成に着目して- - 戦後の幼児教育思想
―幼保一元化の議論に着目して- - 労作教育の陶冶理念
―小原国芳の教育論と実践に着目して- - 学校教育のICT化の展望
―教材・教科書のデジタル化を焦点に- - 障害児の普通学校就学運動における「当事者」の位置
―1978-83年の「金井闘争」に着目して- - 学校における排除と子どもの居場所づくり
―地域ボランティアの主導性に着目して- - 「山びこ学校」はなぜ時代に埋没したか
―「山びこ学校」の現代的意義を探る- - 家庭教育と学校教育の関係について
―フレーベルの人間教育をもとに考える- - 共通第一次学力試験以降の大学入試制度の変遷に関する考察
―新自由主義との関連性・共通性に着目して- - 高大接続に関する政策展開と受験産業
2015(平成27)年度
- オルテガ思想における「教育」の位置づけ
-『大学の使命』の「教養」「文化」概念に着目して- - ハイエクの自由論における自由の価値の所在について
- フリースクールの制度化におけるジレンマ
-「多様な教育機会確保法案」をめぐる議論に着目して- - 学校選択制と教育機会均等
-品川区の事例に焦点を当てて- - 教育の「再政治化」における教師の役割
-伝習館高校事件以降の展開に注目して- - 高校闘争における「自治J の変容
- 戦後における民間教育運動の転換
-教育法則化運動の初期に焦点をあてて- - スクールカースト文学に見る教室のポリティックス
- ノディングズの思想における教師・生徒間関係
- 「インクルージョン」概念の検討
-「包含と排除」パラダイムを越えて- - 1970年代後半の養護学校義務化阻止運動に関する史的研究
-「青い芝の会」神奈川県連合会に着目して- - 環境管理型権力としてのキャリア教育
2014(平成26)年度
- 教育評価の思想を問うために
-ウィギンズの真正の評価論に着目して- - ジル・ドゥルーズの哲学における学び概念の教育思想史的研究
- ノディングズの「ケアリング」
-「倫理的なケアリング」概念を中心に- - 『監獄の誕生』における法と規律
-三つの権力モデルの検討を通して- - C・ライト・ミルズの教養教育論
-大衆社会論からシティズンシップ教育へ- - イヴァン・イリイチの教育思想再考
-教育否定の隘路を越えて- - 教育的関係における非対称性の検討
-M・ブーバーの教育論における「包容」概念の検討を通じて- - 『レ・ミゼラブル』を教育学的視点から読み直す
-「純粋贈与」と「関係性」を手掛かりに- - ハイデガーにおける「なぜ」の問い
-存在の見捨てと思考について-
2013(平成25)年度
- 障害の社会モデルの射程と限界
- 再考:石川啄木の教育思想
-その歴史的意義と「明日の考察」について- - 「いのちの教育」が持ちうる今日的意義
- 中学校における合気道実践から見た武道必修化
-徳島県東みよし町立三好中学校を取材して- - 反基礎付け主義からの公共性と教育
-リチャ-ド・ロ-ティの思想を軸にして- - 生徒・教師関係の変容といじめの形態
- オランダのイエナプラン教育に関する考察
-日本におけるイエナプラン受容の可能性- - 無着成恭における『続・山びこ学校』の実践
- 福地幸造の教育実践とその思想
- ポスト成長型社会の日本における市民性教育の在り方
-平田オリザの演劇論を中心として- - ポストモダンにおける自律性
- 家計簿と農村婦人
-『家の光』における記帳運動を手がかりに-
2012(平成24)年度
- 明治・大正の女性歌人の活躍からみる女性の自己表現と自立
-歌人・九条武子と与謝野晶子の教育思想の比較を通じて- - 「不登校」の言説史研究
- 「真正の評価」は学校教育にどこまで影響を与えられるか
-現代の学力に注目して- - 遠山茂樹における歴史教育論の展開
- 自己分析に見る現代日本の若者のアイデンティティ
- 宮原誠一における地域教育計画論
- 学校におけるケアリング
-ネル・ノディングズのケアリング論を中心に- - 教育の公共性の再検討
-ランシエールの政治哲学に着目して- - 倉橋惣三の保育思想
-戦時下の論考に注目して- - ポスト-モダニズムの潮流における「逃走」についての考察
-ジョン・アップダイクの小説にみる表象とジル・リポヴェツキーによる
新しい個人主義論考を手がかりとして- - “決断主義”社会を生きる
―教育と社会の間における決断について― - 「生命力」あふれる社会像の形成
―シュルレアリスムの可能性―
2011(平成23)年度
- ファンタジー文学の教育学的意義
-『はてしない物語』の読解を通して- - ローカル・シティズンシップへの教育
-まちづくりのための市民性醸成に関する考察- - 教育実習の歴史的研究
-今日の教育実習改革を展望して- - 自己と経験の不一致
-セクシュアルマイノリティの自己に注目して- - 国語科における古典教育の成立
- 教師の専門職性の再検討
-教師と市民との相互理解とその先をめざして- - 歴史に「出会う」歴史教育を求めて
- 「新しい能力」概念とどう向き合うか
-何を目指し、どう培うか- - 日本における「生と死の教育」
-道徳教育から公民科教育へ- - 日本における脱学校論の再考
-1970~80年代の脱学校論争を中心に- - 百科事典の教育思想
-コメニウス汎知教育思想を中心に- - 「かけがえのなさ」を見つめ直す
-「かけがえのなさ」の重層性をめぐって-
2010(平成22)年度
- 「学び」概念の批判的検討
-佐藤学の「学びの共同体」論を中心に- - 「育児ストレス」と向き合う
-母性概念の批判的読み解きを中心として- - 「発達保障論」と「共生共育論」の対立を越えて
-子どもの学習をどう保障するか- - ノディングズのケア概念について
-ケアの無条件性という観点から- - 日本のコミュニティ・スク-ルの課題
-法制化プロセスから考える- - ル-マンの合理性論
-「システム合理性」概念の含意- - ナチス・ドイツの障害者安楽死政策が現代教育に示唆するもの
-障害者の処遇および優生思想をめぐって- - 旭丘中学事件再考
-公教育における政治教育の存立可能性- - 「つなぐ」中等教育国語科授業
-デュ-イ教育哲学から出発して-
2009(平成21)年度
- 校庭芝生化の議論における「教育」の位置
―東京都の事例を中心に― - 児童文学の教育的役割を活かす媒介のかたち
―小学校教育における子ども観・文学観に着目して― - 学校で死別に伴う悲しみを教えること
―「死への準備教育」再考― - 日本におけるキャリア教育
―海外との比較に着目して― - ミシェル・フーコーの倫理
―ポスト・モダンをどう生きるか― - 近代化・国民化の手段としての唱歌教育
―伊澤修二の「唱歌遊戯」に着目して― - 企業内教育における教育観の変遷
―学校教育との連関を中心として― - 中学校歴史教科書の国際対話
―日韓に着目して― - New Public Management (NPM)と教育改革
―評価制度に着目して― - メディアを学ぶとはどういうことか
―メディア・リテラシーの現状と展望― - シュタイナー学校における音楽教育
―そこで目指される音楽的体験― - いらんくなって生きんならんもんでえらい
―これからの介護と教育を考える―