東京大学バリアフリー教育開発研究センターは、「障害の社会モデル」の視点を学校全体に広めることで、日常の中で見過ごされがちなバリア(社会的障壁)を主体的に発見し、その解消に向けて積極的に取り組む学校づくりを支援しています。
その一環として、学校教職員を対象とした「インクルーシブな学校づくり」研究会を主催する他、子どもと一緒に社会モデルを考えるための教材開発に取り組んでいます。
このプロジェクトの成果は、ハンドブックにまとめられています。
『インクルーシブな学校づくりハンドブック』は こちら >>>
「インクルーシブな学校づくり」研究会
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自治体と連携し、月に1回の研究会を開催しながら、「子どもと社会モデルを考える」授業を中心に置き、「障害の社会モデル」「多様性理解」「合理的配慮」「子どもの権利」といったテーマについて学びを深めています。
2025年度の研究会については こちら >>>
子どもと「社会モデル」を考える教材
現在3つの教材を開発し、学校に提供しています。
教材を使用されたい方は、上記「インクルーシブな学校づくり」研究会にご参加ください。
バリアはどうしてできちゃうの? (公益財団法人日本補助犬協会との共同開発)

補助犬ユーザ(介護犬ユーザ、聴導犬ユーザ、盲導犬ユーザ)が直面する具体的なバリアについて知り、補助犬ユーザをサポートする補助犬の姿を動画で見ることを通して、バリアが社会のさまざまな場面に、いろいろな形で存在していることを学ぶ教材です。
後半では、「重たいドア」の事例を通して、子どもも利用する可能性があるという事実がうっかり忘れられることで、障害のない自分たちもバリアに直面しうることに気づいてもらいます。
迷惑なのはだれ?
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電車の優先席をめぐるトラブルを通して、多様性への理解を深めるための教材です。
東京大学バリアフリー教育開発研究センターの教材をもとにNHKが制作した番組を見せながら、見た目ではわからない他者の事情について子どもと一緒に考えることができます。
車いすユーザーの社会

車いすユーザが多数派、二本足で立って歩く人が少数派という架空の社会を描いた紙しばいを通して「社会モデル」の要点を学ぶ教材です。
子どもたちの多くは架空の社会では少数派の立場に立たされることになります。少数派だからという理由で、さまざまな不利が生じることを共感を持って経験することで、少数派に対する不利を生み出す社会の仕組み(多数派の都合に合わせて社会の環境が作られてしまうこと)に気づけるようになっています。