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センター長(2024年4月~)挨拶

東京大学大学院教育学研究科附属
バリアフリー教育開発研究センター
教授 星加 良司

社会への深い洞察を持った人材を

 障害者・高齢者等のマイノリティが直面するさまざまな困難を解決し、社会のメインストリームに包摂していくバリアフリーの取り組みは、社会的な課題としてその必要性が認識されるようになっています。また、それを可能にするための社会的インフラや法制度の整備も、着実に進んできているといえるでしょう。しかし、その取り組みを社会の変革として現実化させていくためには、それを不断に、かつ日常的に担っていく人材の育成が不可欠です。

 では、そうしたバリアフリー社会を構築していくに当たって必要な人材とは、どのようなものでしょうか?マイノリティの生活のあり方や直面している困難について知り、それに対して手をさしのべようという想いを持つ、ということだけでは必ずしも十分でないと考えます。それは、そうした困難を生み出す社会的な文脈についての深い洞察を欠いた取り組みは、むしろ困難を悪化させたり、マイノリティから力を奪うことにつながる危険性があることが、近年の研究や当事者の声によって 明らかにされてきているからです。
 このことを踏まえると、今求められているのは、マイノリティにとっての困難を生み出している私たちの社会の作られ方(バリアのメカニズム)を見通し、そしてそれを変えていくための道筋(バリアフリーの手法)を構想するための知識と見識を持った人材なのではないでしょうか。当センターの役割は、そうした人材を育てていく教育機能を、社会システムの中に組み込んでいくことではないかと考えています。


ご挨拶

バリアフリー教育開発研究センターの小国喜弘センター長と星加良司センター准教授による挨拶

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