2026年4月4日、「いっしょがいいならなぜ分けた―障害のある子どもと地域の学校で共に学ぶこと」(主催:一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ、共催:バリアフリー教育開発研究センター)を、大田区の会場とZoomを繋ぐハイブリッド形式で開催し、120名を超える参加者にご参加いただきました。

登壇者は、最大で66歳の年齢差がある3名です。一人目は、北村小夜さん(1925年生まれ)。北村さんは、1950年から86年まで都内の小・中学校で教員を務め、うち21年間は特殊学級(現在の特別支援学級)を担任しました。現在も「障害児を普通学校へ・全国連絡会」の世話人として活動を続けています。
二人目は、川端舞さん(1992年生まれ)。川端さんは生まれつき運動障害と言語障害があり、群馬の普通学校で小中高を過ごしました。大学進学を機に茨城へ移り、介助制度を利用しながら一人暮らしを始めました。大学卒業後は茨城で障害者運動に関わっていましたが、「社会を変えるなら生まれ育った群馬から」と昨年春に前橋へ戻り、新生活の基盤を築きながら活動を続けています。
三人目は、平林ルミさん(1980年生まれ)。平林さんは特別支援教育を専門とし、読み書きできなくても学べる社会の実現を目指す社会企業「学びプラネット合同会社」を2020年に設立しました。東京大学バリアフリー教育開発研究センターでも、インクルーシブな学校・地域づくりの研究に関わっています。今回のイベントでは、ファシリテーターを務めました。
「インクルーシブ教育」をテーマにしたイベントと聞くと、みなさんはどのような内容をイメージするでしょうか。合理的配慮の具体的な方法、障害のある子どもが普通学級で学ぶための環境整備、他の国々・地域での成功事例など。「どうすれば一緒に学べるか」という問いへの実践的な答えを探す場、というイメージが多いと思います。
しかし、今回の鼎談では、いかに制度を整えるかではなく、その制度がどのような権力構造の上に成り立ってきたかという歴史的・構造的な問いが中心に置かれました。世代の異なる三名の対話を通して浮き彫りになったのは、「この子のため」という保護主義、国が決めたことには従うべきだという権威主義、そして「哀れむ者と哀れまれる者」という不平等な関係を「慈愛」として肯定してきた天皇制が絡み合いながら、障害のある子どもを分離する仕組みを支え続けてきたという歴史的事実です。
このイベントは、一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェが主催する連続講座「インターセクショナリティ—差別で織られた社会をほどく」(全10回)の第1回として開催されました。インターセクショナリティとは、ジェンダー、障害、人種、民族、そして資本主義や植民地主義といった複数の力が複雑に絡み合う地点に目を向けることで、どれか一つの軸だけで見ていては気づけない抑圧の構造を見るための視点です。この連続講座のタイトルにふさわしく、日本社会の根底に横たわる支配の構造を、一つひとつ解きほぐしていくような鼎談となりました。
詳細はぜひ録画でご覧ください。
**録画配信チケットは、2026年8月31日までに、以下のサイトからお申し込みいただけます。
(「チケットを申し込む」からチケットを選択し、「参加希望回」で「第1回」を選択してください。)
**本イベントに関するお問い合わせは、主催団体のふぇみ・ゼミ&カフェまでお願いいたします。
メールアドレス:femizemi2017(アットマーク)gmail.com
(文責:飯野 由里子)