必要な校則は何か 本文へジャンプ
インタビュー

2.生徒指導代表の先生


―生徒さんにどのように育ってほしいかお聞きしたいのですが。

社会の、一般の生活に支障のないようにするために、大人として、社会生活の行動ができるように。学校のマナーとかルールとかそういうのを守れて、気持ちよく学習生活ができるということが良いのかなと思っています。

―指導は自由というか、生徒さんにお任せしている部分があると思うんですけど、どちらかというと、自主性を尊重している形ですか。

そうね。今の時点はね。

―厳しい規則や校則で縛るというものではなくて

そうですね。

―現段階の生徒手帳に書いてある校則というのは、大まかな、抽象的なことが書いてあると思うのですが、これに対して特に厳しい指導や取締りをしていることもないですか。

ないですね。

―生徒さんの実態はどのくらい守っていらっしゃるのでしょう。

幅がありますね。1年生は100パーセント守ってる、2年生は70パーセントでしょう。3年生は・・・60・・・くらいかな。あと、高校生は自由な、私服っていうこともあってね、基準が先生たちもあいまいだし、半分くらい守っているかなあというところですね。

―今回こうしたマナーブックを作ることになったきっかけは三者協議会ということだったのですが、どのような経緯で。三者協議会で議題になったのが、マナーということで。

うん。確かに今、学校、校舎の中見てね。服装だとか、頭髪だとか、非常にだらしなくなっているのではないかなあというのが一つ。地域の人たち、あるいはバスとか電車とかそういうところから苦情が出ていて、はたしてそれがこの学校のね、生活指導やあるいは公共のマナーといったところでは問題にしなければいけないんじゃないかなあと問題意識を持った。そこで三者協議会で議題として、気持ちよく過ごせるようにするにはどうしたら良いのかなあというところで。

―このマナーブックは生徒さんの方から作りますと。

えーと、じゃあ学校側は何ができる。生徒たちは何ができるんだろうか、保護者の方々は何ができるんだろうかと。生徒会の生徒が中心として出席していたので、生徒会は何ができるんだろうか、できれば先生たちが厳しく指導をするのではなくて、自らが、自覚をして、直せるようにする声がけができないだろうか。生徒会としてリーダーシップがとれないんだろうかということで、このマナーブックを作ろうと。今マナーについてどれくらい違反しているかというアンケートをしていて、それを点数化しているそうです。生徒会で。それをもとにして、もう一度これを、まあ2月ぐらいにマナーブックを発行して、4月、あるいは5月の段階になってもう一度そのアンケートをしたら、みんなが守れているようになったという、具体的な点数になるだろうと。

―マナーについてどれくらい違反しているかの点数化と、これを配布した後に差があるか。

そうですね。

―今の学校方針にたいして、先生方としては緩すぎると感じている。

私などはね。生活指導の先生たちは緩すぎるのではないかと思っている。ただ、年齢によって、あるいは性別によって、今の自主的な判断でいいのではないかという先生もいらっしゃるとは思います。

―先生ご自身は、今の校則で、これは必要だ、あるいはこれは失くしてもいいんじゃないか、新たにこういうものを付け加えたらよいんじゃないかというものはありますか。

今のところは、この校則をしっかり、あるいは学校のマナーをしっかり守らせるというところが、良いのではないかなと。それで、今の子供たちに合わないものがあれば、やっぱり削除する必要があるだろうとは思いますけども。例えばバッジの位置、なんていうのは、もうほとんど1・2年生3年生もね、夏服まではバッジを、男子などはつけられないのかな。そういうことがあるので。私服のときはバッジなんてなかなかつけられないということもあってね。多少考える余地はあるなあと思っているところです。で、付け加えたいものは、公共のマナーですね。

―公共のマナー。

うん、公共のマナーの、これは、子供たちにしっかり身につけていってもらいたいことですね。

―外見に関する規則なんですが、生徒会の生徒さんの中にも髪を染めたり、イヤリングをしたりしている生徒さんもいらっしゃると思うのですが、そういった外見に関する校則は厳しくした方がいいと。

あーどうでしょうかね。それもよりけりですね。外見からしっかりしてった方が、その子どもの成長に、まあ助けになるというのかな、そういうのがあるんであれば、そちらの方がいいんだけれども。なんでピアスをしてきたのかっていうのを考えれば、自ずと違う指導の方法があるだろうなあと思いますね。外せという指導は簡単なんです。髪を染め直せという指導は簡単なんだけども、それを、なぜそうしたのかっていうところは踏まえて、担任だとか、あるいは指導にあたる先生たちは考える必要があるだろう。成長する上での、自己主張のね、表れとして考えるのならば、もう少し別な方向にその自己主張を展開できるように。学習あるいはスポーツに、あるいは自分の特技なるものに。でもまあそれで解決できない時には、なぜだろうと考えていくことも必要なんじゃないでしょうか。

―取り締まる方に重きをおくのではなくて、生徒さんがどうしてそういう表現をしたのかを考えていくということですね。生徒さんの休日の過ごし方や、プライベートに関する校則、例えば男女交際禁止でしたりとか、休日は外出禁止といった校則についてはどう思いますか。

全く必要ないと思います。ただ、子供たちの中に、この学校の生徒であることを自覚してね、行動してもらいたいという気持ちはありますね。高校生としてあるいは中学生としての行動のありかたっていうのは、保護者が決めていくことの方が大切なんじゃないかなと思ってますけど。

―全体的なしつけの方針というものは、ご家庭の判断に委ねると。

今のところね。ただ家庭にいる時間よりも学校にいる時間の方が長いと仮定すると、そこは休日あるいは祭日の子供たちの生活について、なんていうのかな、心配してあげる、ということはある。

―生徒指導の先生としては、校則というものはどこまで有効だと思いますか。

集団で生活する上では,必ずそこに集団の性格付けが必要になってくるので、そのための校則というのは、学校として、定める必要があると思いますね。

1.生徒会のみなさん
2.生徒指導代表の先生
3.保護者の方
4.インタビューを通して感じたこと


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