1.生徒会のみなさん
―学校全体の目標をご存知ですか?
5つの力とか・・・生徒会室前の黒板に我々が書きました。
―それってどれくらい全校生徒さんに広まってると思いますか?
1年生とか結構知ってますよ。多分学年を追うごとにどんどん忘れていく・・・。入試の時とかに保護者の方がそういうのが良いからとか言うので選んでくれることとかあるみたいです。それを意識する事はあんまりないですけど。のびやかな表現とかどうやって意識すれば良いのかという問題もありますが。
―自主的な考えを持つ、という目標については。
それはまあわりとできてるかなって。自分たちから何かやろうっていうの、生徒会だからっていうのもありますけど、学校全体としてもいろんな行事のときに何かやりたいっていうのはあるので。そういうのは結構あるとは思いますね。
―校則としては、どんなものがあるかご存知ですか。
私たちは最近、三者協議会の後、マナーブックを作るにあたって、意識しました。生徒手帳に載ってるものだと、服装の規定なんか、華美がいけないとかそういうとこでなかなかわかりにくいっていうか。生徒が自分自身の判断で自分は華美じゃないと思ってるけど、外から見てまあ華美だよねとか。髪の毛だとか、アクセサリなんかの件についても、特にそこまで詳しく書いてなかったりして。書いていないからいいんじゃないのって感覚で今まできたんですけど、やっぱり三者協議会もあって、そういうのはよくないよねっていうような話が出てきて。保護者から見たときと、一般のお客さんから見たときに、あんまりよくないねっていうようなことをやっぱり、先生方もすごい意識されるので。そういうこともあって、どうやったらみんなに意識してもらえるんだろう。じゃあ生徒手帳とは別に、生徒会で作る、マナーガイドブック的な感覚で作らないかって話してて、それを今僕ら3人で原案作りしてって感じなんですけど、ホントにあんまり堅くならないように、絵とか・・・見てわかりやすい。
―これはみんなが携帯するようなものですか。
全校生徒に配れるような形で、年度始めに配って、ホームルームかなにかで確認してもらえればいいなっていうようなものです。マナーブック、まだそんなに動き出したばっかりなんですが、私たちは書き始めて確認する事とかあるので、自分たちは結構意識するんですけど、たぶん周りのみんなは、あ、こんなのあったんだってことが多いと思いますし。
―逆にこれは絶対覚えてるっていうのはありますか。これは守らなきゃいけないとか。
やっぱり、登下校のこととか時間に関することは。それで遅刻もとられちゃうから自分にすごい関わると思うので。
―昼食をコンビニで買ってはいけないとかっていうのは・・・。
あ、これは・・・外出も外出許可書が必要なんですけど、みんなもらってないと思います。そのまま出てっちゃって。許可書もらって出たとしても、買っていいのは購買でなかったパンとか牛乳とかジュースだけなんですよ。でもなんかカップ麺買ってきちゃったりとか。そこはあんまり意識されてないと思います。
―マナーブックを作ろうと思った背景には、守れてない人が多いんじゃないかっていう意識はあったっていうことですか。
そう思います。生徒手帳・・・やっぱり下級生とかには難しい内容なんですよね。少し。
あと、字がちっちゃいから読む気にならない。カラーとか絵とか、そうして読んでやっとあったのかなって意識してもらえれば。そういう感じの目的で作っています。
―今までこういう動きはなかったんですか。
ないですね。三者協議でやったことをきっかけに、出てきました。PTAの方から、生徒会から、そういうマナーとか意識とかなってない生徒に対して何か動いてくれって言われてしまいまして。
―生徒会の方でも、言われてみればそういうマナーの守れてない人が結構いるなあって感じで?
そうですね。まあ黙認してた部分もなきにしもあらず。服装に関してはやっぱり先生も黙認のところが・・・ないので、実際、校則が。だからスカート丈もどんどん短くなっていく。髪の毛を染めてる子、確かに中学は染めちゃいけないってことになってるけど、高校は規則がないし、あっても中学生で染めてる子も時々いるので。それをそんなに先生たちが、厳しく注意してこないっていうのも。結構うちの学校は規則があってもないようなものみたいなところもあるので、それを意識しようっていうのもあって、マナーブックっていう。
―生徒会としては、いまの学校の指導方針であったり、先生の指導っていうのは緩すぎるっていう感覚はありますか。
今年度ぐらいから少し・・・今まで緩かった分、今年に入って少しきゅってなったんですよね。だからなんかしまってきたのかなって言う感じで、でも締めるべきところもあるとは思うんですけど、今の感じが良いっていうのも。
―具体的に先生は守ってない子にどういう対応を。
言う先生は、髪の毛茶色いんじゃない?って感じで。特に罰とかはないです。
―それは先生によって違う。
そうですね。気にしない先生も。
―マナーブックで統一することで先生も考えが統一される?
作らないよりは絶対作った方がそれはそうだと思います。
―この校則は必要だとか、逆にこれはいらないんじゃないかとかありますか?
どうでしょう。あってもないことが多いのがあるから、今の状態がちょうどいいって言えばちょうどいいです。
―マナーブックをつくるってことは、厳しくってことを浸透させることになると思うんですけど。そうしたらたぶん、外見的な事も、茶髪禁止とか、スカート丈とか、入ってくると思うんですけど、そういったことに関してはどう思われますか。
自分たちがね、そんなに髪の毛染めてるタイプでもないし、極端にスカート短いタイプでもないので・・・自分のことじゃないっていうのもあると思うんですけど。自分は別に今の校則のままでも不自由はしないんですけど、先生の中で見てやっぱりこいついきすぎてるなっていう一部の人が、やっぱり。そういう人たちに意識をしてもらいたいなっていうので。そこまで派手な人も少数派なんで。少なくとも三者協議会に出た人は、結構みんなマナーっていうのを意識しています。先生が出した例も極端だと思うんですけど。社会から、家庭から、学校からっていう3本柱でやったんですけど、社会だと、電車からヘッドホンで音漏れする人とか。さすがにそれは私たちはやってないって感じだからマナーがないことに対して否定的になってたし。家庭であいさつをしないっていう例も・・・あいさつする子なんですよ三者協議会に出てる子は。家庭でも結構会話がたえなかったりとか。そういう人ばっかりだから。実感としては厳しくするべきだとは思わなくても・・・モラルの問題ですよね。結局は。
―プライベートに関する規則、男女交際禁止だったりとか、休日外出禁止って校則についてはどう思いますか。
それはさすがにやりすぎだと思います。個人の問題なんで。だからそこまで学校側が干渉するのは、やっぱりおかしいです、はい。
―自分のプライベートは守りたい。
そうですね。
―でも、ある程度決めなきゃいけないと。例えばヒールを履きたいプライベートがあるって言われたらどうしますか。男女交際は良くてもヒールを履くのはだめだよっていう。
ヒールとか身だしなみのことと、そういう男女交際とか休みのこととかっていうのは、別の、全然別問題だと思うんですよね。学校っていうのは、ちゃんと勉強しに来ているわけだし、授業受けるし部活するしってそういうために来てるのに、ハイヒールっていうのは明らかに休みの時のもので。だから休みの時まで規定することはないけれど・・・学校っていう場所を考えると、ハイヒールっていうのは・・・学生らしさっていうのあるじゃないですか。
―外見とか持ち物の規制はあっても良いんじゃないかと思うけど、内面的な規制は、そこまで縛ることはできない?
はい。逆にやっぱり学校の中でそういうのを縛りすぎると、学校の外に出たときに極度にいろんなことをやっちゃう可能性もないことはないから。外と学校での、バランスもとれてないと、よくないかなって。
―この学校は印象としてはどうですか。プライベートと差があったりということは。
そんな極端には・・・やっぱ縛られてない分みんな自然体なんだと思うんですよ。この学校のこと、悪い意味じゃなくてゆるいゆるいって言ってるんですよ。縛られてない分、外に出てもあんまり変わらなかったり。内面的な規制がないから、みんな爆発はしないんだろうなと。
―校則が緩くて、みんなをまとめにくいとか。静かにしてほしいときとか。
集会とか、うるさめだと思いますね。でも静かにするって校則ってありますか?
―というより、校則の緩いのが自由さを生むのと同時に、みんなをまとめるのもそれはそれで難しいのかなって思ったんですけど。
確かにそういう面も。そういう意味でのまとまりっていうのは確かに。先生たちはあまりにうるさくなると、黙れよっていう先生がいるんですよ時々。でも集会とかって聞かないと私たちに不利益なことじゃないですか。時間も延びるし。だから自然と静かになるのを待ってるっていうのもそれはそれで狙ってのことなのかなっていうのも。
―自分から静かにしようっていうのはありますか?先生から言われるんじゃなくて。
言う人もたまに。空気的に言いにくいっていうのは正直ありますね。特に知らない、しかも先輩がうるさいとか。先生にしかられて言われるより、そりゃ自分の仲間とかに、静かにした方がいいんじゃないって言われる方が効き目っていうのは。先生が静かにしろっていっても先生はまたどこかに行っちゃうし、そうしたらすぐまた話し始めちゃうし。ただ言われてるから静かにしてるだけで。友達に言われると静かにしなきゃっていうのは、なんかよくわからないんですけど、気持ち的にはあると思うんですけど。
―例えば、その、髪を染めている、ピアスをあけている、そういう人たちの学校生活は。違和感なくとけこんでるんですか。
そうですね。中学1年生からいるんで。高校からいきなりスカート短い人とかに会ったりしたら話せないと思うんですよ。でも中学の化粧もなにもしていないときから知ってるんで、なんか、全然、遠慮みたいなのはなくても済むんですよね。もともと知ってるから、そういう意味ではとけ込んで。
―外見はやっぱり中3、高1くらいから変わってくる子も多いんですか。
だんだんスカートも上がっていったりとか。
―そういったマナーブックをつくることで、どこまで有効化したいのかな。実際にそういう人が髪を染め直すことがあるのかどうか。そうすべきだと思っているのか。
やっぱりそういうマナーブックとかで、学校に入った時点から、マナーが自分の中にあると、少しでも意識できる。中学生とかってそういうのに反抗したくなっちゃう子も多いと思うんですけど、そういう時期を通り越して、自分たちが学校を動かす学年になったときに、そして周りの学年をみるようになったときに、自分たちだけでも意識しなきゃっていう意識って芽生えると思うし。そういうのってもともとこういうのを読んでないと何してもいいと思っちゃう。ベースはあったほうが、それがすぐには活かされなくても、あとあと、少しでも上手くいくんじゃないかなと思うんですけど。そうじゃなきゃマナーブック作っても意味ないですよね。今すぐにこれを配った事によって、髪の毛が茶色い人に染め直せっていうのではなくて、こういう校則が、あるんだ、こういうのはちょっとおかしいよ、っていうのを一人でも多く意識してほしい。そこまでこの学校はこうすべきだっていうものじゃなくて、一般常識みたいなものなんですよ。どういうものが華美でないかっていうのを、わかりやすく、線をひいてあげる。線をひいてしまうっていうより引いてあげるっていう。わかりやすくなると思うんですよ。それがわかることによって、一線を超えないためにっていうか、超えてしまった人もこれがきっかけで中に戻る。後から入ってくる1年生たちも意識できる。すぐ効くことは願ってないですね。
―生徒会のみんなの中では,どうしてマナーブックを作ったかっていう理由があると思うんですけど、そこまで伝える事って出来ますか。これは単に、しなさい、しなさい、で終わってるじゃないですか。例えばさっき、勉強の場だからヒールはおかしいでしょうとか。なんでおかしいのかっていうのが必要かなって思って。なんで校則が必要かってことなんですけど。そこを考えないと、きつい校則が生まれると思うんですよね。これがみんなに配られて、なんでこんな校則があるのかっていうことを伝える事はできるのか。
難しいですね。今年になってきゅっとなったところがあるんで、たぶんこれが配られたら、またなんかやったなみたいな感じに思われちゃうのはあるのかも。なるほど、逆に参考になりました。そしたらなんでっていうのを最初のページに書いたりとか。最低限の、常識的なところで、みんなに理解してほしいっていうのを、意思表示できれば、いいなあと思います。昨年度までは、生徒の味方みたいな人がいたんですよ。緩いのというか個性推奨派の先生が。でも定年になってしまって・・・ちゃんと、そういう見た目とかは流してる感じだったんですけど、輪をかけてひどかったりするとちゃんと言うし、しっかりしてる人で。でもその先生がいなくなった後の学校をみると、やっぱり生徒自体が、全体がその先生の存在に結構頼ってたみたいなのがあって。その先生がいなくなった今、やっぱりああいう人はなかなかいないから、普通はこういうもんだっていうのを自分たちが気づくのにも時間かかったし、で、それで、その、このままどんどん締められて、この学校の良さが、その、前いた先生が言ってたみたいな個性っていうのが、なくなってしまってよいのかっていうので。やっぱり、そういうのを好き勝手やってたらホントにどんどん縛られちゃうと思うんで、生徒の方から動いて、先生納得させないといけないのかなって。余計縛られる代わりに、軽く。行き過ぎないように。そういう・・・目的なんですよね。
―行き過ぎっていうのはどのくらいなんですか、例えば生徒会の中にも髪を染めてる方とかスカート丈が短い方とか。
いますね。何が行き過ぎって言われると難しい。見た目の面で、自分たちも正直わからないところもあるんで。話し合ってた中で、校則に違反している行動のチェックリスト作ってたんですよ、携帯持ってきちゃいけないとか。生徒会にも20数個中あと2つでコンプリートって子もいたんで。ちょっと矛盾ですかね。
―それもでもこれまであいまいだったからって言うのもあるんじゃないんですか。今回のをきっかけに全体として生徒会の中でも見直しになってるっていう。
見た目は華美な人でも、生徒会に入って仕事ができる人で、周りからの信頼も厚い人もいるので、見た目であんまり判断してないんですよね。見た目は華美だけどしっかり仕事するならみんなついてくるし。逆になんにもできなくてチャラチャラしてると、やっぱりあいつはチャラチャラしてるからなんでも中途半端だ、って言われる人もいる。確かにいると思います。
―外見で判断できない、でも外見で縛ろうとしてる。そこが難しいとこですね。
はい。
1.生徒会のみなさん
2.生徒指導代表の先生
3.保護者のかた
4.インタビューを通して感じたこと

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