メンバー紹介
教員

滝沢 龍(たきざわ りゅう)
東京大学大学院・教育学研究科・准教授
The Royal Society & The British Academy.・Newton International Fellow Alumnus
東京大学・卓越研究員
医師(厚生労働省)・医学博士(東京大学)
精神保健指定医(厚生労働省)・精神科専門医(日本精神神経学会・日本専門医機構)・精神科専門医指導医(日本精神神経学会)・認定産業医(日本医師会)
公認心理師(文部科学省・厚生労働省)・臨床心理士(日本臨床心理士資格認定協会)
横浜にて生育。芝中学校・芝高等学校卒業。東京大学教育学部教育心理学を卒業後、学士編入学により群馬大学医学部医学科卒業、医師免許取得。東京大学医学部附属病院・精神神経科で研修、東京都立墨東病院・神経科・医員、東京大学医学部附属病院・精神神経科・助教として臨床・研究・教育に従事。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻・博士課程修了、医学博士(東京大学)取得。東京大学医学部附属病院・精神神経科・助教、英国ロンドン大学精神医学・心理学・神経科学研究所(Institute of Psychiatry, Psychology and Neuroscience, King's College London)社会遺伝発達精神医学センター(Social, genetic & developmental psychiatry centre)・Newton International Fellow(funded by The Royal Society & The British Academy)等を経て現職。
研究分野
臨床精神医学、臨床心理学、メンタルヘルス
生涯発達精神医学、健康・医療心理学、ストレス健康科学、
脳神経科学、認知行動科学、産業保健衛生、学校保健衛生、
予防医学、精神神経内分泌免疫学、心身医学、臨床疫学、
デジタルメンタルヘルス、ポジティブメンタルへルス
受賞歴
平成20(2008)年09月 | 学術賞. 日本生物学的精神医学会 |
平成21(2009)年04月 | 国際学会発表奨励賞.日本生物学的精神医学会 |
平成23(2011)年11月 | リサーチフェローシップ(2年助成) 上原記念生命科学財団 |
平成24(2012)年04月 | Research Excellence Fellowship. The Institute of Psychiatry King's College London. |
平成24(2012)年10月 | Newton International Fellowship. The Royal Society & The British Academy. |
平成27(2015)年01月 | Newton International Fellowship alumnus. The Royal Society & The British Academy. |
平成30(2018)年03月 | Outstanding Recent Contribution Award. (The award for outstanding recent contributions to the science of National Child Development Study.) The Scientific Committee for the National Child Development Study. The British Medical Association. London. 9th March 2018. |
平成30(2018)年11月 | 東京大学・卓越研究員. 東京大学 |
メッセージ
(1)「弱み」だけでなく「強み(Strength)」にも関心を持ち、(2)「病気や障害をもつ方を癒す」ことだけでなく、病気や障害があったとしても「生きる意味・意義(Meaning of Life / Purpose in Life)を見出して歩む」ことにも関わり、(3)「逆境や困難を減らす」方法を見出すと同時に、「逆境や困難を経験したとしても健康・Well-beingや良好なQOLを高める方法(Resilience)を科学的に検討する」ことに、意欲・関心・好奇心・熱意・意義・使命感・喜びを共有できる方と一緒に協力していきたいと思っています。
<本物とは何か?>をかぎ分ける嗅覚を養うため、国際学会の参加、英語論文での成果公表を推奨し、国際的に活躍できる研究者・指導者を科学者-実践者モデル(Scientist - practitioner model)で育成したいと思います。
すでに在籍生たちは、例えば、認知行動療法の修得であれば翻訳本にだけ頼らず、米国フィラデルフィアのBeck Instituteを実際に訪れ、創始者Aaron T. BeckやJudith S. Beckから直接指南を受けて研修を行っています。


2019年のドイツ・ベルリンで開かれた「世界行動療法認知療法会議(WCBCT)」では、認知行動療法の技能を高めるために、世界的な実践家によるWorkshopに参加しています。


2024年のセルビア・ベオグラードで開かれた「ヨーロッパ認知行動療法会議(EABCT2024)」でも、同様に学会と同時開催のWorkshopにも参加して技能を磨きました。


他にも、国際学会での発表や英語論文の投稿を進めており、こうした国際的活動を応援していきます。ロンドン大学では「10回しか引用されない論文を10本書くなら、100回以上引用される論文を1本書くように」と指導されており、じっくりと腰を落ち着けて質の高い研究に取り組みます。
このように、自身の興味や情熱に従って、それらを共有できる仲間たちと、現状より少し高めの目標を目指していきます。自身がワクワクする感覚をもちうるテーマの中から、人の役に立つと思えることを、<どうしたらできるのだろうか?>と問いつづける姿勢で、集中した努力をして改善点に挑戦していきます。今この時点でやりやすいことを手始めに、<自分のしていることは世の中を良くすることに少しでも役立つ>と思えるような課題に一緒に取り組んでもらえればと思います。
研究室在籍生(OB/OG含む)の学位論文タイトル
- 黒沢拓夢 「メンタルヘルスと主観的なワークパフォーマンスの関係の解明及び支援プログラムの開発」博士学位論文
- 日比麻記子 「⼩児期における家庭内外の逆境体験および保護的体験から形成される⽣涯を通じたWell-being へのリスクとレジリエンスの検討」修士学位論文
- 木村ゆかり 「労働者のメンタルヘルスの一次予防に関する要因の検討 ―閾値下のメンタルヘルス不調に着目して―」修士学位論文
- 鍛治岬輝 「Impact of autistic traits on social functioning through mindfulness-based intervention: An app-based randomized controlled trial」修士学位論文
- 青木由未加 「若者ケアラーのストレス要因及びその心理社会的影響の検討 ―子どもと大人の間に取り残された若者に焦点を当てて―」修士学位論文
- 宇和川梨子 「メンタルヘルス及び怒り感情に対するマインドフルネス介入の作用機序 ―就労中の母親の認知的感情制御に着目して―」修士学位論文
- 杉江麻衣 「援助要請を阻害する「精神疾患に対するスティグマ」を緩和する要因の検討」修士学位論文
- 高橋史也 「メンタルヘルス不調の早期発見に向けたデジタルバイオマーカー活用の可能性 ―スマートウォッチを用いた縦断調査―」修士学位論文
- 安達滉一郎 「マインドフルネスに基づく瞑想法の大学生のメンタルヘルスに対する効果の検証 ―心理指標と生理指標を用いた無作為化対照試験(RCT)による検討―」修士学位論文
- 下田茉莉子 「月経関連症状の推移に関する探索的検討 ―月経周期に沿って収集した時系列データに着目して―」修士学位論文
- 石川智子 「仕事と子育ての両立支援による精神的負担感の検討 ―子どもを持たない女性同僚の視点に着目して―」修士学位論文
- 橋本里奈 「コロナ禍における孤独感と睡眠の縦断的な検討 ―スマートウォッチを用いた客観的睡眠の計測を通して―」修士学位論文
- 井原祐子 「集団認知行動療法を基盤とした社会人向けセルフケア研修プログラムの開発と効果検証:社会人全般から医師への応用」博士学位論文
- 黒沢拓夢 「労働者のメンタルヘルス不調が生産性に与える影響の検討 ―媒介する変数とプロセスに着目して―」修士学位論文
- 中牟田春美 「教師のワーク・エンゲイジメントに関する要因の検討」修士学位論文
- 松本珠実 「子育て期の夫婦関係 ―関係効力性に着目して―」修士学位論文
- 西野悠太 「呼吸法の心身のリラクゼーション効果に関する多面的理解 —ランダム化比較試験を用いて—」修士学位論文
- 井原祐子 「医師のストレス要因と援助要請 ―日本の若手勤務医への質的調査を通じた検討―」修士学位論文
- 上田翠 「外在化問題行動に関する遺伝と環境の影響 ―双生児法を用いた検討―」修士学位論文
- 大賀真伊 「The negative effects of cyber victimization on adolescent psychological health: The moderating role of social support, coping and self-compassion」修士学位論文
コース紀要・公表論文
- 仕事と家庭の両立している女性労働者のメンタルヘルス不調の研究の概観と今後の展望.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 48号, 2025. (in press)
- 多様な働き方におけるメンタルヘルス支援の現状と課題――フリーランスとして働く人に着目して――.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 48号, 2025. (in press)
- 働く女性とPMS ――女性労働者の健康課題に関する実態と展望――.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 48号, 2025. (in press)
- ケアラーの心理社会的負担――ヤングケアラーや若者ケアラーが直面する課題に焦点を当てて――.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 48号, 2025. (in press)
- 子ども期の逆境体験と成人期の肥満との関連研究の現状と課題.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 48号, 2025. (in press)
- 母親のマインドフル・ペアレンティングと子どもの発達に関する実証研究の現状と課題.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 48号, 2025. (in press)
- 日本におけるうつ・不安症を抱える青少年の治療に関わる養育者向け心理教育プログラムの現況.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 47号, 2024. (in press)
- いじめの長期的な影響とその媒介要因.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 47号, 2024. (in press)
- IRAPの測定と応用に関する概観およびトラウマティックストレスIRAP開発の試み.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 47号, 2024. (in press)
- 月経前症候群(PMS)/ 月経前不快気分障害(PMDD)の評価方法の現状と展.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 47号, 2024. (in press)
- レジリエンス向上を目指す心理的介入に応用されるライフスタイル介入法の現状と課題.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 46号, pp.64-71, 2023.
- いじめ被害と人格特性との関連についての時代的変遷に関する概観と今後の展望.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 46号, pp.72-78, 2023.
- 非侵襲的かつ簡便なバイオマーカーを用いた心理的介入の効果測定についての現状と展望.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 46号, pp.79-85, 2023.
- スキーマ療法に基づく心理教育を用いた日常的ストレス反応による悪影響の軽減および重症化予防の試み.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 46号, pp.86-90, 2023.
- メンタルヘルス問題におけるスティグマとセルフ・コンパッションの関連の検討.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 46号, pp.91-96, 2023.
- 月経随伴症状に対する心理的介入の概観と展望.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 46号, pp.97-104, 2023.
- 「心のレジリエンス」を向上させる可能性についての検討 ―概念と影響因子から─.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 45号, pp.68-75, 2022.
- 子ども期の逆境体験に対する保護的体験についての研究の現状と展望.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 45号, pp.61-67, 2022.
- 大学生の課外活動がメンタルヘルスに与える影響 ─国内外の研究の概観─.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 45号, pp.76-83, 2022.
- 情報通信技術(ICT)を利用したメンタルヘルスケアの最新動向.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 44号, pp82-88, 2021. (PDF)
- 対人関係が心身の健康に及ぼす影響に関するバイオマーカー研究の概観.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 44号, pp89-98, 2021. (PDF)
- ワーク・ファミリー・コンフリクトがメンタルヘルスに与える影響 ―日本国内と海外の動向に着目して―.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 44号, pp78-81, 2021. (PDF)
- 労働者のメンタルヘルスと生産性 ──preseteeism研究の概観──.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 43号, pp.78-84, 2020.(PDF)
- 大学生を対象としたマインドフルネスに基づく心理教育プログラムの概観.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 43号, pp.85-92, 2020.(PDF)
- 児童期・青年期の心理教育の現状と今後の課題.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 43号, pp.93-100, 2020.(PDF)
- バイオフィードバックによる心理的指標への影響の概観と展望.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 43号, pp.101-108, 2020.(PDF)
- 周産期支援についての現状と課題──児童虐待防止の観点から──.東京大学大学院教育・学研究科臨床心理学コース紀要. 43号, pp.109-116, 2020.(PDF)
- 親密な関係性と個人のwell-beingの関係の検討.東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 43号, pp.117-124, 2020.(PDF)
- 国内における心の健康に関する予防教育的介入プログラムの取り組みと海外との比較. 東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要. 42号, pp.97-105, 2019.(PDF)
- 医師の心身の健康対策と効果――欧米での取り組みを中心に――、東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要、41号、pp.113-120、2018.(PDF)