21世紀COE

基礎学力研究開発センター

Center for Research of Core Academic Competences

基礎学力研究開発センターとは 何を達成するのか

基礎学力研究開発センターとは

 グローバル化・知識社会化の中で個人の基礎的知的能力は、個人や社会の発展にますますクリティカルな要因となっています。しかし他方で、学習する側の意欲自体が低下し、学力形成の場となる学校と授業が経済社会の変化の中で弱体化して、従来の学力水準の維持さえもが困難となりつつあるともいえます。しかも新しく必要とされる「学力」の内容については、研究上も社会的にもコンセンサスが必ずしも得られているわけではありません。これは日本だけではなく、OECD諸国に共通の問題となっています。社会全体が新しい学力に一定のイメージをもち、その形成システムを構築する作業に参加することが必要です。そのための問題点の整理と基礎的な調査分析が研究に要請されているといえるでしょう。
 そうしたなか、「基礎学力育成システムの再構築」を課題とした文部科学省「21世紀COE」の一つとして、本センターは設置されました。基礎学力について基礎的・理論的な検討を行い、大規模調査を通じて実態を解明するとともに、アクション・リサーチや国際比較を通じて幅広い視野から分析をおこない、基礎学力育成システムの再構築に寄与することが本センターのねらいです。

何を達成するのか

 5年間にわたる活動を通じて本センターは下の三点を達成することを目標とします。

1. 基礎学力についての研究・教育基盤の確立

 まず第一の目標は、基礎学力についての学術的な研究・教育基盤を確立することです。具体的には以下の点を達成します。

2. 基礎学力再構築のための多元的・参加的改革

 今後、基礎学力は、独自の理念に基づいた多様な努力によって、総体的に築かれていくものと考えられます。すなわち、基礎学力を育成するための、多元的かつ柔軟なシステムをつくりあげる必要があります。こうした観点から、本センターでは、実際に現場で活躍しておられる先生方と協力し合いながら、基礎学力を形成するための多様な方法を探っていきます。

3. 国際的な基礎学力研究コンソーシアムの形成

 基礎学力の問題は、様々な要因を含む問題であるために、従来の研究体制の枠組みを超えた体制を構築することが必要です。こうした意味で、基礎学力について国際的な研究協力体制を作ることも求められています。また少なくともこれまでは、各種の国際比較では日本の水準はかなり高かったため、各国から日本の教育にも高い関心があります。本センターはこうした観点から、OECD諸国の主要大学、研究機関に働きかけて、国際的な基礎学力研究協力組織を形成します。また東アジアの研究者とも協力関係を作ります。