
教育学研究科 身体教育学コース
人はなぜ違う行動をとるのか。その理由を脳と生育環境の両方から考えたいと思いました

教育学研究科 身体教育学コース 修士2年
U.O さん
U.O
学部時代は理科二類から進学選択を経て教育学部へ。
人の行動や感情のメカニズムへの関心を軸に、脳科学と身体運動の双方を学べる身体教育学コースを選択。
現在は森田研究室に所属し、脳のMRI画像データを用いた解析研究に取り組む。MATLABやPythonを用いた画像解析を行い、他研究機関との共同研究にも参加している。
学部在学中は運動会に所属し、学業と課外活動を両立。
卒業後はマーケティング職として就職予定。
研究やダンスを通して培った「人の心を理解し、動かす視点」を今後のキャリアに活かしていくことを目指している。
教育学部(身体教育学コース)を選んだ理由
ー 教育学部を選択したきっかけや背景はありますか?
もともと人の行動や感情のメカニズムに興味があり、心理学や脳科学など、いろいろな分野を見ていました。同時に、私自身が部活動に所属していたこともあり、身体の仕組みについても関心がありました。その中で、身体教育学コースは「脳のこと」と「身体運動のこと」を両方学べるのが魅力でした。加えて、コースに所属する方々もスポーツに親しみがあり、雰囲気が自分に合っていると思い、このコースを選びました。
進学選択での方向転換(理系から教育学部へ)
ー 高校時代から同じ興味だったんでしょうか?
高校の頃は化学に興味があって、研究にも関心がありました。大学も理科二類で入り、最初は化学系の学科に進みました。ただ、周囲の熱量と自分の熱量を比べたときに「自分はそこまで化学が好きではないのかもしれない」と感じて、改めて興味を見直しました。
その結果、「人はなぜそう考えるのか」「なぜその行動をとるのか」といった、人の考え方や行動の違いに強く関心があることに気づき、教育学部への進学を選びました。

教育学部の特徴として感じたこと
ー 教育学部で良かったと感じる点はありますか?
一番大きいのは、卒業要件の中で選択科目の割合が大きく、授業を自由に組みやすいことです。必修が多い学科だと時間割が固定されがちですが、教育学部は自分の関心や予定に合わせて履修を組み立てやすいと感じました。
また、個人的な印象として、教育学部は「優しい人が多い」と感じます。人に関心があり、人の気持ちを考えることが得意な学生が集まりやすいのかもしれません。
ー 授業はどんなタイプがありますか?
講義形式だけでなく、グループワークや実践型の授業もあり、たとえばアーティストの方が講師として来て、数日間絵を描きながら学ぶような授業もありました。
授業を自由に選べるので、学部内に限らず他学部の授業を取ったり、学芸員資格に関わる科目を履修したりもしました。そうした経験を通じて「自分の興味はここにある」と、だんだん輪郭がはっきりしてきたのは大きな収穫だったと思います。
教員・学生の距離感
ー 教員や学生同士の距離感はどうですか?
普段から近すぎるという感じではありませんが、コースの規模が小さいので、新入生歓迎会や送別会、忘年会などコース全体で集まる機会があり、話しやすい雰囲気があります。先生が怖くて近寄りがたい、という感じもなく、研究で困ったことがあれば、メールで相談するとすぐ返してくださったり、個別のミーティングで相談に乗ってくださったりと、親身にご指導いただいています。
学部の卒論テーマと、脳研究への関心
ー 学部の卒論はどのようにテーマを決めましたか?
研究室の先輩が取り組んでいたテーマの一部を引き継ぐ形で進めました。きっかけは、2〜3年次の必修授業で先生方が週替わりでご自身の研究を紹介された際に、森田先生の「意思決定」や「報酬系」に関する脳研究に興味を持ったことです。
脳に興味を持った背景としては、大学に入って多様な考え方の人と出会い、「人の考え方の違いはどこから生まれるんだろう」と考えるようになったことがあります。理系的な発想から脳に着目しましたが、生育環境などの要因も重要だと思っていて、その両方の視点を持てる点でも教育学部を選んで良かったと感じています。

大学院進学と現在の研究
ー 大学院に進もうと思った時期と理由は?
学部4年で卒論研究を始めたときに、研究が面白いと感じて「1年で終わるのはもったいない、もう少し続けたい」と思ったのがきっかけです。学科内では院進学は少数派で、同期では私を含め2人でした。
学部時代は心理学実験の結果を解析し、理論モデルによるシミュレーション結果と比較する研究でしたが、大学院では脳の構造に着目し、MRI画像の解析へと興味が広がっています。論文の書き方やコーディングなど、学部で得た基礎は現在も活きていると感じています。
課外活動との両立
ー 学部時代の生活や課外活動はどうでしたか?
部活が生活の中心で、塾講師のアルバイトもしていました。授業が自由に組めるので、部活の練習に合わせて時間割を調整しやすく、両立はしやすかったです。
印象に残った学びと、行動につながった経験
ー 印象に残っている授業や活動はありますか?
教育格差を扱う教育社会学の授業が印象に残っています。生育環境というテーマに触れたことがきっかけで、生活保護受給世帯の子どもに学習支援をするボランティアにも参加しました。実際に現場で子どもたちと関わる中で、学習の困難さや、環境を変えることの難しさを体感し、強く印象に残りました。
また、創造性の心理学の授業では、アートやクリエイティビティのような「理屈だけでは説明しにくい領域」を科学的に解き明かそうとする研究を知り、意外性も含めて面白かったです。選択の自由度を活かして美術史など他学部の授業も履修し、趣味で美術館に行く際の楽しみが増えたという変化もありました。
将来像
ー 今後の進路や、将来やりたいことはありますか?
来年からは就職して、マーケティング職として働く予定です。大学で追求してきた「人の行動や感情を知る」という関心と、部活としてやっていたダンスで「人の心を動かした」経験がつながっていると思っています。マーケティングでも、人の心を読み解いて、動かすことに挑戦したいです。

どんな人におすすめか/学部選択へのメッセージ
ー どんな学生にこのコースはおすすめですか?
人の心や体に興味がある人、スポーツが好きな人には向いていると思います。また、部活などやりたいことがあって、柔軟にスケジュールを組みたい人にもおすすめです。興味がまだ定まっていない人も、選択科目を通じて探求しながら見つけられると思います。
ー 最後に、学部選択に迷う学生へのメッセージをお願いします。
もしやりたいことがまだ見えていなければ、食わず嫌いせずにいろいろ経験してみると、ヒントが見つかるかもしれません。私も、学業だけでなく課外活動などにも挑戦する中で、自分の得意なことや好きなことが見えてきました。皆様が悔いのない進路選択ができることを陰ながら応援しています。

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