
阿曽沼 明裕(あそぬま あきひろ)教授
大学政策論
大学はアカデミックな教育や研究を行い,学問的伝統に基づく独自の枠組みや流儀を身に着けるところです。専門分野と訳されることもある「ディシプリン」は,もともと躾や物差しを意味します。他方で大学は,社会から支援を受け,社会で必要とされる人材を養成し,レリバント(relevant)な知識を生産する場でもあります。このアカデミックな要求と社会からの要求という二つの異なる要求を媒介するのが大学制度であり,もっと言えばその調整を行うのが大学政策や大学経営,大学財政や大学組織です。そこには矛盾や葛藤や相克もありますが,それらから生まれたものが社会を変える力にもなってきたと考えます。それだけに興味深く,探求する価値があると考えています。

福留 東土(ふくどめ ひでと) 教授
比較大学論
「大学とは何か?」いろんな定義が可能ですが,私は,大学の最大の存在意義は,個人が自由に思考し,自分の意思で知的な関心と能力を高めることができる点にあると考えます。世の中にこうしたことをできる場所が他にあるでしょうか? ないとすれば大学を守り育てていく意義は明らかです。現代は大学にとって危機の時代です。しかし,これまでも大学の自由は無条件に与えられてきたのではありません。今の状況を歴史的・世界的視野から見つめたいと思います。大学の自由を大切に享受する姿勢からきっと新たな大学論が産まれてくるでしょう。大学に関わり,大学について考えようとする人たちと「大学とは何か」を追究したいと思います。

両角 亜希子(もろずみ あきこ) 教授
大学経営論
知識社会の進展にともなって大学の社会的な役割が大きくなっています。同時に18 歳人口が減少する中で,大学の経営は重要な問題として高い関心を集め,大学の経営やそれに関わる政策はどのように変化しなければならないのかが問われています。研究者は,社会科学の視点から一定の枠組みの元で基礎的な研究をつみあげるのはもちろんのこと,大学経営の実践者と深く協働し,ともにアイディアを出していくことが求められていると考えています。そこで,とくに大学の意思決定の様式や財務という観点から,事例研究を重ねることにより,実践的な問題に答えうる論理的な基盤の構築をめざして実証的な研究に取り組んでいます。

日下田 岳史 (ひげた たけし) 准教授
大学経営論
大学進学機会の不平等に関心を持ち、大学進学機会の経済格差やジェンダー格差などについて研究を行ってきました。大学進学率は上昇を続けてきましたし、給付型奨学金も拡充しましたので、不平等は解消したのでは? という声が聞こえてきそうです。少子化を受けて、大学の数などについての関心も高まっています。しかし、不平等は残っています。どうするべきでしょうか。例えば、授業料無償化政策について考えますと、平等と効率性の問題や、教育の効果が誰に帰属するのかといった論点が出てきます。少子化対策との関連はどうでしょうか。大学経営への影響もあるかもしれません。このように、たくさんの研究テーマが派生してきます。大学進学機会の不平等を問うということの奥行きを意識しながら、社会調査などから得られた様々なデータに基づく実証研究に取り組んでいく所存です。