身体教育学の大学院学生を目指すあなたへ
東京大学 総長顧問
前 東京大学理事・副学長、政策ビジョン研究センター教授
東京大学名誉教授(元 東京大学教育学研究科長・教育学部長)
武藤 芳照
「名は体を表す」と言います。身体教育学はその名の通り、身体の教育であり、身体と教育を交差させる融合的・総合的学問です。
英語では、Physical Education。歴史的には「体育」と訳されてきましたが、「健やかなからだを育む」という本来の意味としての体育や保健、保健体育とは違った形と内容で学問的にも社会的にも継承されてきたことに鑑み、東京大学では、平成10 (1998)年より、我が国で初めて「身体教育学(Physical and Health Education)」という名称を使用し、原義に根ざした学問体系を構築すると共に、その研究を深め、教育活動を幅広く展開し、優れた人材を養成することを目標に一路邁進しています。
(1) からだの理を知ること
(2) からだ、健康、生命の大切さを知ること
(3) からだを動かすことの楽しさ、喜びを知ること
を教育理念としつつ、身体に関わる最先端の自然科学的研究に留まらず、身体表現、歴史、哲学、社会学、芸術等多彩な分野・領域の視点からの洞察や論考をも包括した学際的、社会的、横断的な論理と探求心と感性を有する若き教育研究者の人材養成に努めています。
身体教育学を学び深め、それを広く社会に役立てると共に、学術的真理を究める活動を通して国内外の学生、研究者、多彩な職種の人々との交流を広めつつ、一人の人間としての成長・発達をも実現できるよう、様々なネットワークやプログラムが作り上げられています。
「よく学び よく遊べ」を基本姿勢とし、勉学・研究に打ち込むばかりでなく、日々の生活や思考、行動の中でのあそび心を大切にして、おおらかに豊かに、時間と空間と仲間を共有できる研究室です。
明日の日本、アジア、世界ではばたくあなたの登場を待っています。