東京大学大学院教育学研究科下山研究室では,様々な症状で悩む子どもに対する認知行動療法のプログラムを行ってきました。そのうち,2009年より強迫性障害に対して,2015年より発達障害系こだわりに対するプログラムの実践を行ってきました。その中で,子どもや若者の抱く強迫症状は多様であり,通常有効性が示されている曝露反応妨害法だけでは対応がしばしば難しいことがあるとわかり,日々の実践の中で援助の改良に努めてきました。
本研究では,こうした,日々の実践で得られた知見の学術的意義や,今後の実践活動に活かすものにする必要性を鑑みて,日頃の臨床的な評価を分析し,どのような症状に対して,どのようなかかわりが有効かを明らかにすることを目的としています。そのため,アセスメント段階で客観的な指標をより包括的に評価し,援助活動に活かすとともに,その内容を定量的に分析することを通して子どもと若者の強迫症状の特徴の理解とより良い援助の開発に活かすことを目指しています。
プログラム自体の流れはHPにてご確認ください。
アセスメント面接は,プログラム開始後1,2回の時間をかけて,現在の症状の様子・生活の様子などを伺い今後の方針を立てるための面接を示します。また,プログラム終了の際にも,その効果がどのような側面に出たのかを客観的に評価するためにも行われることがあります。
本研究で該当する面接はそのうち,1回~2回かけて行う臨床評価面接を主に示します。具体的には,強迫症状や発達特性の程度,保護者の方から見た行動の特徴等について伺い,支援の方針を立てる際にその結果を活用します。
面接を通して強迫症状や反復行動,お子さんの発達特性について理解することができ,その後の支援に活かすことができます。この面接は検査面接の枠組みで行われ,2時間程度かかる可能性があります(複数回に分けて実施も可能)。また,こうした状態を確認することで,援助の方針を見直す必要もあるため,プログラム実施の初期の段階と,プログラム実施後一定回数を過ぎた後に同様の変化を確認します。面接式の評価の際には,まずお子さんに現在の強迫症状の程度について確認した後,保護者様に,強迫症状についての確認,発達特性の程度の確認,反復行動の程度について確認します。
質問紙へのご回答はお渡しした質問紙を持って帰っていただき,自宅にて記入をしていただきます(回答時間は30分~1時間程度。個人差があります)。記入したものを担当者に渡していただければ幸いです。面接を通して得られた症状と,質問紙への回答を合わせた所見を作成し,内容のフィードバックを行います。それに基づいて援助の方針を面接担当者と相談することにご活用いただけます。
上記の概要を確認し,ご協力いただけない来談者様や相談員の皆様は,お手数ですが,以下の連絡先までご連絡いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
研究責任者:
東京大学大学院教育学研究科
臨床心理学コース
下山研究室
下山 晴彦
連絡担当者:
東京大学大学院教育学研究科
臨床心理学コース
下山研究室
所在地:〒113-0033
東京都文京区本郷7-3-1