軽度発達障害の概要

 このページでは、軽度発達障害と呼ばれるLD・ADHD・アスペルガー症候群についてその概要をまとめる。今から10年ほど前まではこれらのことばは日本に入ってきておらず、法として特別支援教育の対象とされてからも、身近に出会わなければ、未だ知らない人も多いだろう。文部科学省による定義と、症状、求められる支援をまとめる。

 軽度発達障害を知るためにまずおさえておきたい点が以下である。

参考:牟田悦子編『LD・ADHDの理解と支援 学校での心理臨床活動と軽度発達障害』有斐閣選書 2005




 1.特別支援教育の対象

2006年学校教育法の一部が改正された後の対象。軽度発達障害は新しく加えられたもの。
  特別支援教育   視覚障害
聴覚障害
知的障害
肢体不自由
病弱・身体虚弱
言語障害
情緒障害
  特別支援学校
(盲・聾・養護学校)
特別支援教室
(特殊学級)
  ☆軽度発達障害
(LD・ADHD・高機能自閉症等)
  特別支援教室


通常の学級
     学習・行動につまずいている児童生徒
健常な(といわれる)児童生徒
 


2.軽度発達障害の意味


*“軽度”の意味
全般的な知的遅れがないこと。問題が軽いのではなく、IQ70以上であること。


*“発達障害”の意味
中枢神経系の高次機能(記憶・注意・視覚認知・言語処理などにかかわる脳の機能)の障害であり、発達期に生じ、非進行性であること。

医学的分類
1、知的発達障害(精神遅滞);知能発達の障害を中心とする
2、広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:PDD);社会性の問題を中核とする自閉症を中心とする
 ・・・高機能自閉症、アスペルガー症候群含む
3、特異的発達障害;発達のある部分的な側面が障害されている
 ・・・LD含む
4、ADHD;行動の問題を中心とする

☆軽度発達障害と包括されるようになった3つはこちら☆
 ・LD(学習障害)

 ・ADHD(注意欠陥/多動性障害)

 ・高機能自閉症・アスペルガー症候群等