高機能自閉症(High Functioning Autism)・アスペルガー症候群等

 2003年 文部科学省による定義

「高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、@他人との社会的関係の形成の困難さ、A言葉の発達の遅れ、B興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。
また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。」


(2003.3「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より)

※アスペルガー症候群とは、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものである。なお、高機能自閉症やアスペルガー症候群は、広汎性発達障害に分類されるものである。(文部科学省HPより)

・言語的な学習の面で困難
・相手の表情や内的状態を読み取ったり、社会的な文脈を理解することが困難
・感覚の過敏さや特定のものやルールへのこだわりがある
→対人関係や集団生活への適応が困難

 

○どのような困難が見られるか
下の表は、「対人関係やこだわり」に関するチェック項目一覧

※評価方法は,0:いいえ,1:多少,2:はい,の3段階で答え,該当項目が22ポイント以上である場合,著しい困難があるとカウントする。

(文部科学省(2003),通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査より作成)
   対人関係や
こだわり等
・大人びている。ませている

・みんなから,「○○博士」「○○教授」と思われている(例:カレンダー博士)

・他の子どもは興味をもたないようなことに興味があり,「自分だけの知識世界」を持っている

・特定の分野の知識を蓄えているが,丸暗記であり,意味をきちんとは理解していない

・含みのある嫌みを言われても分からず,言葉通りに受けとめてしまうことがある

・会話の仕方が形式的であり,抑揚なく話したり,間合いが取れなかったりすることがある

・言葉を組み合わせて,自分だけにしか分からないような造語を作る

・独特な声で話す話すことがある

・誰かに何かを伝える目的がなくても,場面に関係なく声を出す(例:唇を鳴らす,咳払い,喉を鳴らす,叫ぶ)

・とても得意なことがある一方で,極端に不得手なものがある

・いろいろな事を話すが,そのと時の場面や相手の感情や立場を理解しない

・共感性が乏しい

・周りの人が困惑するようなことも,配慮しないで言ってしまう

・独特な目つきをすることがある

・友達と仲良くしたいという気持ちはあるけれど,友達関係をうまく築けない

・友達のそばにはいるが,一人で遊んでいる

・仲の良い友人がいない

・常識が乏しい

・球技やゲームをする時,仲間と協力することに考えが及ばない

・動作やジェスチャーが不器用で,ぎこちないことがある

・意図的でなく,顔や体を動かすことがある

・ある行動や考えに強くこだわることによって,簡単な日常の行動ができなくなることがある

・自分なりの独特な日課や手順があり,変更や変化を嫌がる

・特定の物に執着がある

・他の子どもたちから,いじめられることがある

・独特な表情をしていることがある

・独特な姿勢をしていることがある
 

●求められる支援
・アスペルガー症候群は言語面の困難がないため障害と理解されにくく、不必要ないじめに発
 展することも考えられるため、障害と理解することが大切
・暗黙のルールを明確なかたちにして学習できるように促す指導が必要
・執着する特性をよい面で活かせるように配慮することで、自信を持ち豊かな生活を送れるよ
 う支援

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