ADHD(Attention Deficit/Hyperactivity disorders:注意欠陥/多動性障害)

 医学的概念である。

2003年 文部科学省による定義

「ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。」


(2003.3「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より)
 

○どのような困難が見られるか
下の表は、「不注意」「多動性・衝動性」に関するチェック項目一覧

※評価方法は,0:ない。ほとんどない,1:ときどきある,2:しばしばある,3:非常にしばしばあるの4段階で答え,0,1を0ポイントに,2,3を1ポイントとして計算して該当項目が6ポイント以上の領域を著しく示すとカウントする。

(文部科学省(2003),通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査より作成)
   不注意 ・学校での勉強で,細かいところまで注意を払わなかったり,不注意な間違いをしたりする

・課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい

・面と向かって話しかけられているのに,聞いていないようにみえる

・指示に従えず,また仕事を最後までやり遂げない

・学習課題や活動を順序立てて行うことが難しい

・集中して努力を続けなければならない課題(学校の勉強や宿題など)を避ける

・学習課題や活動に必要な物をなくしてしまう

・気が散りやすい

・日々の活動で忘れっぽい
   多動性・
衝動性
・手足をそわそわ動かしたり,着席していても,もじもじしたりする

・授業中や座っているべき時に席を離れてしまう

・きちんとしなければならない時に,過度に走り回ったりよじ登ったりする

・遊びや余暇活動に大人しく参加することが難しい

・じっとしていない。または何かに駆り立てられるように活動する

・過度にしゃべる

・質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう

・順番を待つのが難しい

・他の人がしているのをさえぎったり,邪魔したりする



 ●求められる支援
幼児期:過剰な多動性により発見される
    しつけが困難、虐待と結びつくケースも
    早期からの家庭への支援が必要

小学校:学校という刺激の多い状況のなかで落ちついて課題に取り組むことは困難
    失敗の累積、非難、自信・意欲喪失など
    学習環境を調整したり、周囲が共感的理解したり、行動コントロールの力を少しずつ培
    い、達成感を得て自信を持てるものが獲得できるような支援が必要

中学校:移動性の多動はほぼ収まるため、他の要因も加わっている可能性あり
    周囲が理解し成功体験が多くなるよう支援することが必要
    さらに、信頼のおける他者や仲間との関係のなかで自己理解を深めるための支援が必要

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