中学校の部活動を担当する教員の負担

授業準備に時間がさけない…  忙しすぎて生活のゆとりがない…

部活動顧問の先生たちがよく口にしそうな言葉です。


前のページで中学校の先生は部活動に多くの時間をさき、残業時間が膨れ上がっていることを見てきました。
では、実際にどれほどの教員が部活動を担当し、顧問としてかかわっているのでしょう。
下の表は部活動の顧問をされている教員の割合を示したものです。


表3 : 中学校教員の性別・年代別の部活動顧問に携わっている割合  (小入羽, 2008より引用・改変)
男性教員 女性教員
運動部顧問 文化部顧問 顧問なし 運動部顧問 文化部顧問 顧問なし
30歳以下 94.2% 4.3% 1.4% 73.7% 17.5% 8.8%
31〜40歳 90.4% 7.7% 1.9% 56.4% 30.4% 13.1%
41〜50歳 78.2% 12.3% 9.5% 38.9% 41.1% 20.0%
51歳以上 44.4% 15.8% 39.8% 29.0% 42.7% 28.3%
合計 75.3% 11.0% 13.6% 47.8% 34.4% 17.9%

男性教員の9割弱が運動部を中心に部活の顧問を任されている。特に若い先生たちでは顧問をしていない人は1%程度です。
女性教員でも8割を超す先生が部活動に携わり、若い先生では男性同様9割を超す人が部活動顧問として仕事をされています。
ここから分かることは、中学校の先生になることは同時に部活動の顧問を任されることであり、先生の仕事の大きな要素になっているということです。


さらに下のグラフを見てもらいたい。これによると、多くの先生たちが自分自身の勤務状況に対し問題を感じているのが分かるでしょう。
部活動の顧問をされている先生たちのうち、なんと8〜9割の先生たちが授業の準備時間が足りない、仕事に追われて生活のゆとりがないと感じています。

     
(小入羽, 2008より引用・改変)



このように、部活動顧問に携わっている教員は、そのほとんどが授業準備の時間がとれていないと感じており、それは実際に残業時間の内訳を見ても明らかです。
授業が第一であるはずの教員の仕事は部活動に占領されてしまっている。これでは、良い授業をしようと思ってもできないというものです。
その上、生活のゆとりまで奪われては、「明日も頑張ろう」と思うことさえも許されないのではないでしょうか。授業どころか教員として働けなくなることにつながりかねません。


では、なぜこれほどまでに教員は部活をはじめとする時間外勤務に追い込まれているのでしょうか?その答えとなるのが教員の給与についての法律です。
次のページでは、その教員の給与について見てみようと思います。

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