「特別支援教育」は、どのような流れの中で生まれてきたのでしょうか?
障がい児教育の歴史を追ってみましょう。
○基本的な流れ 個人による努力から、公立学校の設立へ ↓ 就学の義務化、ただし重度の障がいについては受け入れ困難な状況が続く ↓ 対象となる障がいの拡大、それぞれの子どものニーズに応える教育へ |
○戦前・・・障がい児教育黎明期 ・1878年 京都盲唖院設立=日本で最初の盲・聾教育機関。 明治期の障がい児教育は、基本的に少数の篤志家の努力によって運営。ただし、多くの学校は、担任不足、財政難によって安定した運営には至らず。 ・1923年 盲学校及び聾学校令。全国に盲・聾学校の設置を義務化。 大正期〜昭和初期にかけて、個人重視・自由主義的教育の思想が隆盛し、特殊教育へ の関心も高まっていった。 ・1941年 国民学校令施行。身体虚弱児、知的障害児の学級・学校の編成。 この法令をきっかけに「養護」の言葉が広がっていったが、第二次世界大戦の勃発に より実質的な運用はなされず。 |
○戦後・・・特殊教育の時代 ・1947年 教育基本法・学校教育法の公布。 盲学校・聾学校・養護学校(このとき制度創設)への就学の義務化。ただし重度の障 害者に対しては就学免除・就学猶予の措置が執られ、ほとんどの場合就学が許可され なかった。 ・1979年 養護学校の義務化。 前年に就学猶予、就学免除が原則として廃止されたことにより、重度・重複の障害者 も養護学校に入学できるようになる。一方普通学級からの障害児の排除も見られた。 |
○特別支援教育への転換 ・2001年 「特別支援教育」という呼称の採用。 ・2006年 学校教育法の一部改正。2007年より正式に特別支援教育の実施。 知的な遅れのない発達障害も含めた対象の拡大。盲・聾・養護学校を「特別支援学校 」に一本化。 |