@時代背景 昭和から平成へと時代が変わり、社会全体を見渡せば、科学技術の発展、経済の進展、情報化などが特徴と言えるこの時期、教育界では反対に「いじめ」「不登校」「校内暴力」が深刻化し、文部省をはじめとした、さまざまな教育機関や教育関係者が、その対策に頭を悩ませるようになっていました。 そんな中、学習面では個性重視、生涯学習体系への移行、そして情報化に対応した教育が目標に掲げられるようになり、学習指導要領の改訂が行われるに至りました。指導要領の中身としては、「新学力観」に基づいた、主体的学習、問題解決学習の重視へと内容がシフトしました。 しかし数学教育に限って言えば、学習内容は少々増加したように思います。昭和53年の学習指導要領では削除された複素数平面の復活など、「ゆとり教育」とは逆行した流れが見受けられるように思います。 |
A主な教育トピック ・教員の初任者研修の制度化(昭和63年) ・教職教員免許法一部改正(取得単位数など)(昭和63年) ・国連総会「児童の権利条約」を全会一致で採択(平成元年) |
B改訂の中身 数学T (1) 二次関数 ア ニ次関数とグラフ (ア) 関数とグラフ (イ) 二次関数とそのグラフ イ ニ次関数の値の変化 (ア) 二次関数の最大・最小 (イ) 二次方程式と二次不等式 (2) 図形と計量 ア 三角比 (ア) 正弦,余弦,正接 (イ) 三角比の相互関係 イ 三角比と図形 (ア) 正弦定理,余技定理 (イ) 図形の計量 (3) 個数の処理 ア 数えあげの原則 イ 自然数の列 ウ 場合の数 (ア) 順列 (イ) 組合せ (4) 確率 ア 確率とその基本的な法則 イ 独立な試行と確率 ウ 期待値 数学U (1) いろいろな関数 ア 指数関数 (ア) 指数の拡張 (イ) 指数関数 (ウ) 対数関数 イ 三角関数 (ア) 角の拡張 (イ) 三角関数とその基本的な性質 (ウ) 三角関数の加法定理 (2) 図形と方程式 ア 点と直線 (ア) 点の座標 (イ) 直線の方程式 イ 円 (ア) 円の方程式 (イ) 円と直線 (3) 関数の値の変化 ア 微分係数と導関数 イ 導関数の応用 ウ 積分の考え 数学V (1) 関数と極限 ア 関数の概念 (ア) 分数関数,無理関数 (イ) 合成関数,逆関数 イ 極限 (ア) 数列{rn}の極限 (イ) 無限等比級数の和 (ウ) 関数値の極限 (2) 微分法 ア 導関数 (ア) 関数の和・差・積・商の導関数 (イ) 合成関数の導関数 (ウ) 三角関数・指数関数・対数関数の導関数 イ 導関数の応用 接線,関数値の増減,速度,加速度 (3) 積分法 ア 不定積分と定積分 (ア) 積分の意味 (イ) 簡単な置換積分法・部分積分法 (ウ) いろいろな関数の積分 イ 積分の応用 面積,体積,道のり 数学A (1) 数と式 ア 数 整数,有理数,実数 イ 式 (ア) 整式 (イ) 等式と不等式 (2) 平面幾何 ア 平面図形の性質 (ア) 平面図形に関する基本的な定理 (イ) 条件によって定まる図形 イ 平面上の変換 (ア) 合同変換 (イ) 相似変換 (3) 数列 ア 数列とその和 イ 漸化式と数学的帰納法 ウ 二項定理 (4) 計算とコンピュータ ア コンピュータの操作 イ 流れ図とプログラム ウ コンピュータによる計算 数学B (1) ベクトル ア 平面上のベクトル (ア) ベクトルとその演算 (イ) ベクトルの内積 イ 空間におけるベクトル (ア) 空間座標 (イ) 空間におけるベクトル (2) 複素数と複素数平面 ア 複素数と方程式の解 (ア) 複素数とその演算 (イ) 二次方程式の解 (ウ) 簡単な高次方程式 イ 複素数平面 (ア) 複素数の図表示 (イ) ド・モアブルの定理 (3) 確率分布 ア 確率の計算 イ 確率分布 (ア) 確率変数と確率分布 (イ) 二項分布 (4) 算法とコンピュータ ア コンピュータの機能 イ いろいろな算法のプログラム 数学C (1) 行列と線形計算 ア 行列 (ア) 行列とその演算 和,差,実数倍 (イ) 行列の積と逆行列 イ 連立一次方程式 (ア) 行列による表現 (イ) 消去法による解法 (2) いろいろな曲線 ア 式と図形 (ア) 方程式の表す曲線 (イ) 楕(だ)円と双曲線 イ 媒介変数表示と極座標 (ア) 曲線の媒介変数表示 (イ) 極座標と極方程式 (ウ) いろいろな曲線 (3) 数値計算 ア 方程式の近似解 イ 数値積分法 (ア) 区分求積法 (イ) 面積の近似計算 (4)統計処理 ア 統計資料の整理 (ア) 代表値と散布度 (イ) 相関 イ 統計的な推測 (ア) 母集団と標本 (イ) 正規分布 (ウ) 統計的推測の考え |
C気づいた特徴 ・記述量はさらに少なくなった ・計算機からコンピュータへと記述が変更 ・枠組みがガチっとした印象 |