文科省HPより
ここでは、学校が変わっていく中でも、学校の物理的側面である学校建築の変化に着目します。近年、学校建築における変化の代表的なものに、「オープンプランスクール」というものがあります。以下に簡単にその違いを表わしました。
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今までの学校 | オープンプランスクール |
このように、オープンプランスクールの特徴は、教室と廊下の仕切りが取り払われ、開放的になっている点にあります。
日本における学校建築の質的充実が図られ始めたのは、1970年代のことです。それ以前は、戦後の、戦災復興や新教育制度の発足に合わせ、児童数の急増に対応する学校施設の量的整備が行われていました。早急な量的整備を行わなければならないという状況下で採用されたのが、定型的・画一的な片廊下型の鉄筋コンクリート造りの校舎パターンです。昭和25年には、当時の文部省によって「鉄筋コンクリート造の標準設計」が作成され、この形式の校舎が全国で建設されていきました。
1970年代、それまでの量的整備がある程度の完了をみせると、学校建築の充実は量的整備から質的整備へ目が向けられるようになりました。大人数授業での教師→生徒へといった教育に変わり、子どもの学習の個人差への対応や個性を尊重した教育活動が注目されるようになり、学校建築という学習環境づくりの側面においても、そういった動きに伴い、様々な活動を行える新しい空間を設けることが期待されるようになりました。
文部省でも、学校施設のあり方を、「学校施設は、教育の場として、また児童生徒等の生活の場として、安全、かつ快適であるとともに、必要な機能を十分に備えていなければならないが、他方、学校施設は成長過程にある児童生徒等の心理・情操の面にも大きな影響を与えることに留意しなければならない。したがって、学校施設のあり方は、単に教育や生活機能の面からだけでなく、更に文化的な視点からもとらえることが必要である」と1982年の報告書(「学校施設の文化的環境づくりについて」)で述べています。
<1970年代〜>
新たな学習・指導形態の実践
従来の学校建築では不都合
《オープンスペースへの期待》
文科省HPより