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原理はこうです。周辺には環状の建物、中心には塔。塔にはいくつかの大きな窓がうがたれていて、それが環の内側に向かって開いています。周辺の建物は独房に分けられ、独房のおのおのは建物の内側から外側までぶっとおしにになっています。独房には窓が二つ、一つは内側に開かれて塔の窓と対応し、いま一つは外側に面して独房の隅々まで光を入らせます。そこで、中央の塔には監視者を一人おき、おのおのの独房に狂人、病人、受刑者、労働者あるいは生徒を一人入れればいいのです。逆光の効果により、周辺の独房に閉じ込められた小さなシルエットが光の中に浮きあがっているのを塔からとらえることができます。(伊藤晃訳「権力の眼」) |
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