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*先生の特別支援教育への関わり方* 平成20年度に特別支援チームの専門家スタッフという形で月に1,2回特別支援教育に関わっていました。また、学校臨床心理学が専門なので、学校の中でのメンタルヘルスや、教育活動をどのように支援していくかを研究していますので、その中で、特別支援教育のことも出てきます。 |
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*専門家チームの支援のしかたとは* 専門家チームは、基本的にはスクールカウンセラーと同じく、先生方へのコンサルテーションが中心となります。学級に入って、特別なニーズを持つ子どもの観察をして、その上で、先生方が校内でどのような支援をしていけるかを話し合います。話し合いの参加者は学校によっても違いますが、専門家チームと、子どもに直接関わっている先生方、つまり担任の先生や学年の先生方、図工や音楽など専科の先生、加えて、特別支援コーディネーターの先生や管理職の先生、保健室の先生などです。学童保育の先生などが加わる場合もあります。すべての先生方がそろうと大人数です。 |
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*特別支援教育に関わるなかで感じること* 「特別支援教育」と一口に言いますが、その中身は、本当にケースバイケースです。たとえば、通常学級のみのお子さん、通級が最適な支援となるお子さん。発達障害の種類や程度、周囲の条件などで支援はおのずと異なります。通常学級の中で発達していく方が、刺激がたくさん得られるお子さんもあれば、通常学級に行くことが負担になってしまうという場合もあります。ニーズに合わせた支援が一番大切です。 通常学級から通級学級に通うシステムは、通常学級での仲間づくりやたくさんの刺激というメリットと、特別支援を専門にしていらっしゃる先生から教育を受けるメリットの両方が得られて、とてもよいシステムだと思います。しかしそれも、ニーズによって、どのようなかたちが一番適しているかはケースバイケースです。 基本の基本ではありますが、特別支援教育は、個別のニーズがどこにあり、何が支援になるのかを適切にとらえることから始まり、それに終わると言えるかもしれません。 |
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* 今の特別支援教育に足りないと感じているところは* 特別支援に限らないことですが、もう少し、学校の現職の先生方が、いろいろな対応を実践的に学ぶことができる機会があるとよいのではないかと思っています。そういう機会が保証されることが大事だと思います。学級の中で出来る工夫はたくさんあります。例えば子どもの「こだわり」について、それを生かすも殺すも、担任の先生の工夫次第になってくる場合も少なくありません。でも、支援について知識や経験がなければ工夫も難しくなります。とても勉強熱心で、たくさんの本を読まれ、ご自身で工夫される先生方もたくさんいらっしゃいます。でも「知っていればできたのに知らなかった」「知らなかったからそのような工夫の発想すらなかった」という場合も残念ながらまだあるようです。多忙な業務のなか、負担を上乗せするのではなく、無理のないかたちで、実践的な知識理解を得られる機会を、広く学校の先生方に保証するシステムがあったら、助かる子どもがもっと増えるのではないかなと感じることがあります。
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*伊藤亜矢子先生,本当にありがとうございました!*