はじめに

 近年の法的・制度的な改革を受けて、今、特別支援教育が注目されています。従来の特殊教育から特別支援教育へと名称も変わり、軽度発達障害なども組み込まれました。

しかし、このような変遷の中で、特別支援教育や障害そのものについての誤解が多いのも事実です。特に、新しく組み込まれた軽度発達障害についてはまだまだ認知度が低いのではないでしょうか。

「障害のある児童生徒一人ひとりの教育ニーズに応じた適切な教育支援」を理念として掲げられた特別支援教育ですが、その実現のためには特別支援教育の中身をきちんと理解する必要があると思います。それが充実した特別支援教育の実現のための第一歩であるでしょう。

新しく組み込まれた軽度発達障害というものがどのようなものなのか、そしてそのような障害を抱えた児童生徒の在籍する通常授業の中で、どのような特別支援教育がなされているのかということについて、制度・内容の両面から見ていきたいと思います。