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博物館と博物館のつながり

 博物館と博物館がつながるといっても,いったいどんな風につながっているのでしょうか。
 まず,最近では地域博物館等で働く学芸員が人的ネットワークを作り,日頃から情報を交換したり,お互いに批判し合うことが求められています。このような連携の結果,共同展示や共同の資料調査が行われ始めています。共同開催の特別展の例として,1994年に行われた「江戸四宿」展が挙げられます。この特別展は足立区立郷土博物館,板橋区立郷土資料館,品川区立品川歴史館,新宿区立新宿区歴史博物館の四館合同企画で実施されました(児玉1994)。
 こういった複数の博物館による合同の展示は,一つの博物館では困難なテーマを共同で実施でき,より広範囲な広報活動が展開できるといった利点があり,博物館の可能性を大きく広げるものとなっています(柘植 2004)。

  地域博物館の共同開催展・「江戸四宿」展(柘植 2004)


 また,東京の規模の大きな博物館も「東京・ミュージアム ぐるっとパス」というチケットブックを発行し,博物館同士の連携を示しています。この「東京・ミュージアム ぐるっとパス」とは、東京都内56の美術館・博物館や動物園・水族園などの施設の入場券または割引券がつづられた一冊二千円の共通入館券です。最初の利用日から二ヶ月間,各展示につき一回利用できるようになっていて,学生などの集客を図っています。この「ぐるっとパス」を利用したスタンプラリーも実施されています。
 このように東京都の大きな博物館も協力し合っていることがよくわかります。

 さらに,神奈川県西部と静岡県では,博物館が相互に連携を結び,「ミュージアムリレー」を行っています。神奈川県にはたくさんの博物館があり,特に小田原・箱根を中心とした西部地域には個性の強い博物館が多いようです。これらの博物館のうち,公設と私設合わせて44館の博物館相当施設が互いに協力しあうことを目指し,平成7年「神奈川県西部地域ミュージアムズ連絡会」(略称WESKAMS)を組織しました。この「神奈川県西部地域ミュージアムズ連絡会」が,毎月一回「ミュージアムリレー」と呼ばれる各施設持ち回りの展示会を行っています。
 このような活動も博物館と博物館のつながりの良い例でしょう。

〈参考文献・参考サイト〉

児玉幸多監修 『特別展 江戸四宿』 特別展 江戸四宿実行委員会 1994

柘植信行 2004 第6章 地域施設としての博物館 鈴木眞理編集 2004 博物館学シリーズ1 『改訂博物館概論』   樹村房

財団法人東京都歴史文化財団
www.rekibun.or.jp/grutto

東京・ミュージアム ぐるっとパス2007ガイドページ/インターネットミュージアム
www.museum.or.jp/grutto

ミュージアムをもっと身近に
www.kamaboko.com/gotoshi/59/59-5.htm

「ユニバーサル・ミュージアムをめざして ―視覚障害者と博物館―」を聞いて
nh.kanagawa-museum.jp/faq/3ronshu/10.html