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博物館におけるボランティア活動



博物館でのボランティア活動をしてみよう!


博物館におけるボランティア活動は1970年代後半からいくつかの美術館において始められました。

図書館では読み聞かせボランティアなど多くの図書館でボランティアの制度が導入されており、博物館はそれに比べると少ないのですが、最近ではさまざまな博物館でボランティアが導入されてきて、見学するだけではない利用のしかたが増えてきています。



博物館でのボランティア活動は、博物館法を補完する形で出された「公立博物館の設置及び運営上望ましい
基準」の中では、「博物館は、その実施する事業において、利用者等の学習の成果ならびに知識及び技能を
生かすことができるよう努めるものとする」と言及されており、利用者が学習の成果を生かすための活動として想定されています。
つまり、見学することによる学習だけではなく、ボランティア活動には参加することによる学習の効果が期待され、博物館は教育活動の一環としてボランティア活動を導入しているのです。

ボランティア活動に参加する人は、文部科学省の社会教育調査によれば、1987年に45000人程度だったボランティアは、1999年には約130000人と年々増えてきています。


具体的にはどのような活動があるのでしょうか?

①展示資料の解説や学習活動の指導、助言、援助といった「学芸業務の補助」
例:美術館におけるギャラリートークや、学校などへの出前授業など

②展示の監視、身体障害者の介添えなどの「来館者接遇の補助」

③イベントの運営、友の会業務、広報活動などの「博物館の付帯活動」

④その他、清掃などの環境整備、事務補助など。

このようにボランティア活動は多岐にわたっており、また、さまざまな個人の能力が要求されることがわか
ります。
これは、先述の「望ましい基準」にある「利用者の学習の成果及び知識・技能を生かす」ためのボランティ
ア活動にまさにあてはまるといえます。

しかし、技能を持っていなければボランティア活動をできないかというとそうではありません。
多くの博物館ではボランティア活動のための研修を行っており、ボランティア活動のための学習をしたのち
、それが成果となって現われるのです。

参考文献:鈴木眞理『ボランティア活動と集団』2004,学文社
      :『社会教育調査報告書』2002,文部科学省
      :山本珠美「博物館の利用」鈴木眞理編集『改訂 博物館概論』2004,樹村房