日本にある4つの「国立博物館」の内、2005年に出来たばかりの、とても新しい博物館です。(他の3つは、東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館です。)東京国立博物館が“とうはく”と呼ばれるように、九州国立博物館は“きゅうはく”と呼ばれています。この博物館では、九州という土地柄を生かした展示を行っています。
九州は、歴史や地理で勉強した通り、アジア世界での盟主・中国に一番近い場所です。そのため、古くから、中国や朝鮮といった東アジア諸国との交流が盛んな地域で、独特の文化も発展していました。また、それとは逆に、ユーラシア大陸からの侵略に際しては、都に敵が襲撃しないための防波堤の役割も担っていました。そして、日本が江戸時代になって鎖国を始めても、長崎の出島という小さな特別な場所でヨーロッパ諸国やアジア諸国との貿易や文化交流を、政府の公認で続けられた地域でした。
そのような歴史をふまえて、これまでの日本を中心にすえた博物館ではなく、アジアや世界のの中から日本の文化をみつめる博物館となっています。
しかも、太宰府天満宮の隣に立地しており、「アクセストンネル」一本で両方に行ける作りになっています。歩いて5分ほどの距離です。また、太宰府天満宮と“きゅうはく”の周りには、たくさんの史跡が残っているので、博物館の見学をし終わったら、実際の史跡に触れてみるのも楽しいでしょう。
博物館に入ってすぐ、「あじっぱ」という体験型の展示室があります。ここでは、日本と交流のあったアジア諸国やヨーロッパ諸国の生活文化を体験できる資料やアイテムがたくさん広場に置いてあって、楽しく様々な文化に触れることが出来ます。また、「なりきり学芸員」という体験プログラムもあって、たくさんある学芸員の仕事のうち、特に重要な「資料を見る」と「展示する」の二つの仕事を真似することが出来ます。
“きゅうはく”も、今年度からキャンパス・メンバーズ制度を導入したため、加入している大学・短大・専門学校・高校の学生は、平常展は無料、特別展も割引料金で見学することが出来ます。

●所在地
〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2
●開館時間
午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
※7、8月中の土日は、開館を延長(午後6時まで)している場合があります。
●休館日
月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌日)
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