(1)障害児の体育指導の意義

障害児は、育児の過程において、障害によって不自由になっている機能を克服し、まずは基本的日常生活に適応することに重点がおかれる傾向があります。また、通学や家庭学習にかかる時間も多いです。そのため、健常児に比べて、遊びも含め、運動する機会に恵まれていません。また、障害のために、精神的に苦労したり、コミュニケーションが大変だったりする場合もあります。体育指導はこれらを補う意義がありそれは具体的には次の6点にまとめられます。

 
@健康の保持増進
 A体力の向上
 B自立心の育成
 C情緒の安定
 Dストレス解消
 E集団適応,社会参加の促進といった社会性の育成


(2)障害児の体育指導に求められる課題

 
@個別プログラムの作成
 障害児は成長の段階や、障害の種類・程度によって、人それぞれに大きく異なった体力特性を持ちます。画一的な指導ではなく、ひとりひとりに対応した指導が求められます。

 
A 健康の維持、体力の向上と運動の体験
 教科としての体育に限らず、部活動や学校行事としてのスポーツ活動や休み時間を利用した運動など、さまざまな運動を体験させることで、健康を維持し、体力を向上させます。同時にスポーツの楽しみを伝え、各自に適したスポーツを発見してもらうことも大切です。

 
B 適度な運動量の設定
 障害の程度や成長の段階に応じて、適当な運動量を見極めてあげることが大切です。

 
C 各種スポーツ大会の充実
 障害児が日々の成果を発揮し、やりがいを持てるようなスポーツ大会を催すことが大切です。 障害体育をめざすことも求められます。

 
D 学校・家庭・地位社会が密接に協力し合う
 生涯体育の充実をめざし,学校・家庭・地域社会が情報交換等、互いに密接に協力し合って体育をすすめていくことが求められます。

 
E スポーツ環境の整備
 障害児・障害者みんながスポーツを楽しめるような、施設・設備の整備が求められます。また、指導者の養成によって環境を整えることも大切です。