現在eラーニング・Web学習は以下のような問題点・課題を抱えています。 |
@教材の・カリキュラム充実、教員の育成 〜ソフトが充実してこそのハード |
Aインフラの整備造〜皆に平等な環境を |
B学習者への適切な教育〜コンピューターリテラシーと情報リテラシー |
C学習者の主体性・自己評価・セルフコントロール〜自己学習のために |
D教育支援体制の確立〜目的を常に認識 |
E規格の標準化〜更なる発展のために |
@教材・カリキュラムの充実、教員の育成
△ Web教材学習においてはハードだけあっても肝心の中身がなければ無意味です。現在パソコンやインターネットの普及は進んでいますが、Web教材は質・量ともにあまり整っていません。Web教材の充実が求められていますが、それには・・・ ・全ての人がPCを十分に使いこなせるわけではないので初心者でも容易に扱えるように、操作性を高めたり、わかりやすいヘルプをつける必要があります ・マルチメディアで音声や画像・動画を組み合わせるためには製作者のセンスが問われます。ただ画像・動画を使えばいいというものではありません。闇雲に盛り込んで、焦点のぼやけた無意味に派手なものをよく見ます。また、動画を使えば、容量が重くなることも注意しておかなければなりません。教材や学習の目的・目標を理解したうえで、学習者の興味を引くような内容にしましょう。 また教員の育成やカリキュラムの充実も求められています。ハードやソフトがそろっていても、(初等教育では特に)きちんと教えることのできる教員がいなかったりそのためのカリキュラムがなかったりすれば、宝の持ち腐れになりかねません。 Aインフラの整備 △ デジタルディバイドの問題を解決し公平性を保つためには法的制度の整備も含めた環境整備が求められます。また画像や動画はデータが重くネットワークの転送速度の問題があります(光ファイバーの導入により緩和される?)。セキュリティーの問題もあります。ウイルスや不正アクセス、個人情報の流出など、未だにネット社会には不安がつき物です。 主に教育現場において、中学・高等学校でインターネット接続率がほぼ100%になるなど、ハード面での設備は整っているように見えます。しかし、その接続の半分ほどがISDNやアナログ回線で、Web学習に十分といえるものではありません。大学のPCは遅いから使わないという人も私の周りに随分います。 セキュリティーに関して言えば、日本は穴だらけです。どこそこのHPが侵入されただの、ウイルスの影響を受けただの、という話が頻繁に聞こえてきます。 国や自治体によるインフラの整備がなお必要でしょう。 B学習者への適切な教育 △ ハイパーリンク構造を持つことや内部情報の検索に優れることは、読者がその長所を正しく認識し、利用できなければ効果を発揮できません。ハイパーリンク構造に関する知識、検索戦略とその使用方法についての知識、さらにはコンピューターの基本的な知識(コンピューターリテラシー)などの教育が求められます。 また情報の共有化には、その情報の信憑性の問題が付きまといます。ある情報の前後の文章が抜け落ち一部だけが伝わった結果、間違った文脈の元で間違った解釈をする可能性もあります。メディアリテラシー・情報の取捨選択に関する教育も必要です C学習者の主体性・自己評価・セルフコントロール △ 学習者が自分一人であり、時間・場所など様々な制約がないこと、興味のある部分だけを自由に選んで学習できることなどは、裏を返せば、学習者が主体的に学習の目的・内容・時間・場所を選ばなければならないことを意味しています。 柔軟性(個人のレベルやペースに合わせた学習)は、学習者が自分のことを理解して初めて効果があります。 検索可能な資料空間の増大によって莫大な情報の入手が可能になりましたが、それは逆に情報の大海の中で現在の位置を見失い、今全体の中のどこにいるのかわからないという状況を作りかねなません。 これらのことを合わせて解釈すると、 eラーニング・Web学習においては学習者が自らゴールを定めた上で、 常に現在の状況を全体との比較の中で把握しつつ、 両者の間のギャップを埋めるために必要な情報を取捨選択していかねばならないといえます。 D教育支援体制の確立 △ 学習者一人での学習には限界があります。特に自己学習力がまだあまり身についていない場合には、情報の大海の中で、自分が今何をしているのかを見失う危険性が高くなります。国や学校の主導による、適切なフィードバックを含んだ教育支援体制の確立が必要です。 E規格の標準化※1 △ eラーニングのコンテンツは、単にテキストだけでなく、マルチメディアの特性を生かして動画や音声などを組み合わせたものが多くあります。そこで用いられている技術は多岐に渡ります。そのためここ数年、規格の標準化を進める動きが起こっているようです。 |
参考 ※1規格の標準化 http://www.keyman.or.jp/search/30000045_1.html |