はじめに
4斑は「自己学習」がテーマです

○自己学習とは
自己学習と聞いて何をイメージいますか。人によっては学校での自習や自宅での学習(宿題)を思い浮かべるかもしれません。しかし、これらと自己学習は大きく異なります。「一人で勉強する」ことは自己学習の必要条件にすぎません。自己学習には、

自ら課題を設定し、そのための計画をする
・課題を遂行したうえで、評価をし、後の学習にフィードバックする

といった、主体的な取り組みが要求されます。自習・宿題は、課題を与えられ、それを遂行するという、受動的な学習であるのに対して、自己学習では能動的に自ら計画し自ら考えることを要求されると言えます。


○何故自己学習力は必要か
教育とは本来子供に生きる力・主体的な人生を楽しむための力を与えることをその目的としています。しかしながら近年の学歴化社会・受験競争激化の中で、学校教育はその本質から外れた、知識偏重・記憶中心の指導が行われてきました。その反省も踏まえ、「生きる力」を形作る「自己学習力」が今注目を集めています。

特に社会の動きが激しい現代においては、学校で習った知識だけでは技術の進歩についていけなくなってしまっています。社会に出てからも自分で学ぶべきことを決め、自ら学んでいく力が要求されます。また市川(1998a)は個性化教育の視点からも自己学習力は重要であるとしています。これからは子ども個人個人が自分の興味関心に沿った課題を設定する学習が目指される、という主張です。

これに加えて、集団授業の限界も考慮されるべきでしょう。どんな集団であろうと、学習能力に個人差があることは否定できません。個人が自分のレベル、理解状況に応じた学習をする能力が必要とされるのは言うまでもない。そしてこの問題は今に始まったものではありません。


○二つの柱
自己学習の道具として、また自己学習力を育てる教育の一環として、今E-ラーニングが脚光を浴びています。現在「IT新時代」と言われるほどインターネット等のネットワークに期待が高まっている中、ネットワークを媒体とした新しい教育法の研究が進められています。通信教育により単位が取得できるようになったり、塾の中にはインターネットによる授業配信サービスを始めた学習塾もあります。当HPではEラーニングとは何か、どのような長所・短所があり、現在どのように活用されているのかについて紹介いきたいと思います。

同時にEラーニングや主体的な自己学習には自分の現在の状態と理想の状態を比較し、ギャップを把握してそれを埋める情報を認識する「自己評価力」が欠かせません。自己評価の抱える問題点、その解決方法などについても概観します。