研究期間 | : | 2011年度〜2013年度 |
1.研究の目的
従来の教科カリキュラムは,大きく見れば大学(アカデミズム)における学問体系を高校・中学・小学校へとおろしていくように構成されていた。こうしたカリキュラムはともすると児童・生徒にとっての生活上の意義が見えにくくなり,学習意欲をそぐことが指摘されるようになり,対案として生活単元主義的なカリキュラムが重視された時代もあった。しかし,これも極端になると学力低下を招くという問題を含んでいた。また,従来のこうしたカリキュラムは,職業や政治経済を中心とする市民社会生活との関連(社会的レリバンス)を欠くという問題点もはらんでいた。戦後型カリキュラムでは社会的レリバンスが欠如した状態であってもある程度は機能してきたが,それが崩壊した1990年代以降は社会的レリバンスの構築が急務の課題となっている。すなわち,「ゆとりか詰め込みか」といった二者択一的な指導観から脱却を図り,社会的レリバンスを有する学力観へと転換を図る必要がある(図1)。
図1 研究の概念図
本研究では,以上の背景を踏まえて,戦後型社会の構造転換を踏まえた公教育の新しい方向性を探り,理論面と実践面から検討を加える。最終的には,次の学習指導要領およびその後を視野に入れたカリキュラム・イノベーション(革新)の可能性と条件を探ることが目的である。こうした目的を達成するために,図2に示すような「基幹学習ユニット」「生き方の学習ユニット」「社会参加の学習ユニット」の3つのユニットを設け,理論的な検討を進める。さらに,東京大学教育学部附属中等教育学校との連携を中軸にすえ,研究代表者及び研究分担者が関与している他の学校や自治体との連携も含めた共同研究を組織し,学校づくりや教育行政の改革も視野にいれて具体的な実践の在り方を探求する。これらを可能にするための組織として,上記の3つのユニットに加えて総括ユニットを設け,附属学校等の実践現場とを架橋するプラットフォーム的役割を持たせる。
図2 研究組織図
2.研究組織
研究代表者 | 小玉 重夫 | 東京大学・大学院教育学研究科・教授 |
ユニット1 | 「総括ユニット」 | |
研究分担者 | 大桃 敏行 小玉 重夫 |
東京大学・大学院教育学研究科・教授(ユニットリーダー) 東京大学・大学院教育学研究科・教授 |
佐藤 学 | 東京大学・大学院教育学研究科・教授 | |
南風原 朝和 | 東京大学・大学院教育学研究科・教授 | |
今井 康雄 | 東京大学・大学院教育学研究科・教授 | |
両角 亜希子 | 東京大学・大学院教育学研究科・講師 | |
河野 麻沙美 | 東京大学・海洋教育促進センター・特任講師 | |
植阪 友理 | 東京大学・大学院教育学研究科・助教 |
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3.全体会日程
4.関連する研究会,出版物などの情報
5.リンク集
update 2011.10.30