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下山研究室の臨床心理学ガイド

日本では、臨床心理学、心理療法、カウンセリングの区別が曖昧で、それらが混合したものを“心理臨床学”と呼んでいます。しかも、それを臨床心理学と同義としています。このような“臨床心理学(=心理臨床学)”は、日本独特の概念であり、臨床心理学を理解する上で混乱を招くことになっています。臨床心理学を学ぶためには、このような臨床心理学の概念の違いについて知っておくことが必要です。

下山研究室の学生

いわゆる「臨床心理学」は、学問としては心理学部に属し,心理学としての実証性を重視します。活動としては,認知行動療法を中心にさまざまな理論を統合し,コミュニティにおける心理援助を専門的に行うことを目指します。
それに対して「カウンセリング」は,教育学部に属し,Rogersが提唱した人間性を重視する活動として,心理学に拘らない広い領域に開けた人間援助の総合学を目指します。

また、「心理療法」は,心理力動学派などの特定の理論を前提とし、その学派の理論を習得し、実践することを目指す活動です。

日本では、1980年代以降,深層心理学を中心とした心理力動的な学派が心理臨床学の中で大きな比重を占めてきています。その点で心理療法が,日本の心理臨床学の理想モデルとなっています。

しかし,心理療法は、本来依拠する理論に基づき、厳しく、しかも長期にわたる訓練を必要とします。そのようなことを考えるならば,真の意味で“心理療法家”の名に値するのは、日本の臨床心理士の中でもほんの一部に過ぎません。むしろ,大多数は,カウンセラーとして総合的な援助活動を行っているのが実態といえるでしょう。

したがって,「心理療法」を理想モデルとしながら,実際は「カウンセリング」を実質モデルとして大多数を構成し,「臨床心理学」はほとんど機能していないというのが,日本の“心理臨床学”の内実です。

このような複雑な捻れを含む状況は,日本の独自な臨床心理学の在り方を示すとともに,専門活動としての臨床心理学の発展をむずかしくしています。

説明会

本来の「臨床心理学」の基礎として最も重視されているのは、実証的なアセスメントです。ところが、日本では、実証的なアセスメントを軽視する傾向が強いのです。それは、「心理療法」を理想モデルとするため,既成の学派の理論に従って事象を解釈し,理解する傾向が強いからです。

その結果としてデータに基づいて実証的な判断をする発想や態度が育っていません。それと関連して,臨床心理学研究についても,非常に未熟,あるいは無知な状態に留まっています。

自らが信奉する学派の心理療法の理論に基づく実践活動を目標とするならば,その理論の正しさが前提になります。それが日本において実証的な開発研究や効果評価研究の発想が育っていない所以です。

そのような日本の状況のなかで、下山研究室は、アセスメントや研究を含めた本来の臨床心理学の最新の知見とともに体系的な臨床技能の教育訓練を提供し、学生の皆さんが正しく臨床心理学を学ぶことができるように体制を整えています。

この記事の内容に関心のある方は、ぜひ、下記の著書をお読みください。下山が現在、目標として、また実践している臨床心理学の具体的内容と方法が書かれています。

 

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