東京大学大学院教育学研究科 バリアフリー教育開発研究センター

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ごあいさつ

センター長挨拶

センター長 野崎大地教授近影。センターにて。

東京大学大学院教育学研究科附属
バリアフリー教育開発研究センター
センター長 野崎 大地

 2016年度からセンター長を務めることとなりました。センター設立(2009)に直接関わっていない世代初めてのセンター長就任ということで、大きな責任を感じています。どうかよろしくお願いいたします。
 私の専門は身体教育科学で、特に、私たち人間の滑らかで柔軟な身体運動の遂行を可能にする脳神経科学的メカニズムについて研究を進めています。必然的に、私の研究は、精緻なメカニズムの崩壊が招く運動機能障害とも関連を持っています。実際、東大に着任する前には、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所に籍を置いておりました。
 このようなバックグラウンドもあり、「バリアフリー」という言葉を、身体機能に障害を持つ方々が物理的に不便を感じることなく暮らせるための仕組み、というかなり限定的な意味で解釈していたように思います。しかし、2011年から運営委員として本センターの運営に参画するようになり、世の中には、心理的、社会的、文化的なバリアなど多様なバリアが存在し、ある場合にはその存在さえ認識されていない、それにも関わらず社会に大きな影響を与えていることもあり得る、ということを強く実感しています。身体機能の障害をどのように克服するかという私自身が専門とする研究対象に軸足をおきつつ、もっと広い意味での「バリアフリー」をどのように教育に取り入れるかということを考えて行きたいと思います(そういえば、前所属先の名称からも「身体」という言葉が外れたのでした)。


専任講師挨拶

星加センター専任講師近影。バリア・スタディーズ(授業)にて。

東京大学大学院教育学研究科附属
バリアフリー教育開発研究センター
専任講師 星加 良司

社会への深い洞察を持った人材を

 障害者・高齢者等のマイノリティが直面するさまざまな困難を解決し、社会のメインストリームに包摂していくバリアフリーの取り組みは、社会的な課題としてその必要性が認識されるようになっています。また、それを可能にするための社会的インフラや法制度の整備も、着実に進んできているといえるでしょう。しかし、その取り組みを社会の変革として現実化させていくためには、それを不断に、かつ日常的に担っていく人材の育成が不可欠です。

 では、そうしたバリアフリー社会を構築していくに当たって必要な人材とは、どのようなものでしょうか?マイノリティの生活のあり方や直面している困難について知り、それに対して手をさしのべようという想いを持つ、ということだけでは必ずしも十分でないと考えます。それは、そうした困難を生み出す社会的な文脈についての深い洞察を欠いた取り組みは、むしろ困難を悪化させたり、マイノリティから力を奪うことにつながる危険性があることが、近年の研究や当事者の声によって 明らかにされてきているからです。
 このことを踏まえると、今求められているのは、マイノリティにとっての困難を生み出している私たちの社会の作られ方(バリアのメカニズム)を見通し、そしてそれを変えていくための道筋(バリアフリーの手法)を構想するための知識と見識を持った人材なのではないでしょうか。当センターの役割は、そうした人材を育てていく教育機能を、社会システムの中に組み込んでいくことではないかと考えています。